アブラヤシ 

ペテン県はグアテマラの北部、ユカタン半島の根っこに位置し、
ティカルを始めとしたジャングルの中のマヤ遺跡が多数点在する場所です。


グアテマラの国土の内さっくり1/3がペテン県。
とは言え、ペテン県のあちこちに行ったことのある人は少なくて、
フローレスやティカル遺跡に行ったことがあればいい方。
ペテン県未踏というグアテマラ人は珍しくないです。


私的にはペテン=ジャングルというイメージだったのですが、
なんでも近年、ペテン県南部(サヤスチェ、ラ・リベルタなど)は
広大なアブラヤシ畑が続く大規模プランテーションへと変貌してしまったのだとか。


それはかなりびっくり!
と言うわけでアブラヤシやそれに関わる話をちょいと調べてみました。


まずはアブラヤシそのものについて。


アブラヤシは熱帯地域原産の植物です。
西アフリカ原産のギニアアブラヤシ(Elaeis guineensis)と
熱帯アメリカ原産のアメリカアブラヤシ(Elaeis Oleifera)の2種類がありますが、
現在油を採取するために一般に栽培されているのはギニアアブラヤシ。
グアテマラでは一般的にPalma africana(アフリカ椰子)と呼ばれている植物です。


このギニアアブラヤシを中米に導入したのは
かの有名なユナイテッド・フルーツ・カンパニー(UFC)なのだそうです。


20世紀初頭、中米各国ではUFCなどがバナナのプランテーションを経営していましたが
パナマ病と呼ばれる病気により大きな被害を受けたことから、
バナナに代わる作物として、
当時マレーシアやインドネシアで栽培されていたアブラヤシを導入したのが起源。
UFCがこのアブラヤシをパナマに導入したのが1926年、
スタンダード・フルーツ・カンパニーは1944年にコスタリカで栽培を開始しています。


その後ラテンアメリカ各地で栽培されるようになったそうですが、
アブラヤシから取れる油脂の生産量では
現在もインドネシアとマレーシアの二カ国が全体の80%程を占めているのだとか。
アブラヤシは果肉からパーム油、種子からパーム核油が取れるので
栽培面積当たりの生産高は植物油の中でも最も高く、
植物油の中で一番生産量が大きいのもパーム油なのだそうです。


パーム油は食用油、加工食品用、洗剤、石鹸、バイオディーゼルなどとして利用が可能なので
需要もどんどん伸びており、それにつれて国際価格も上昇。


パーム油価格の推移(2007年1月~2012年8月) - 世界経済のネタ帳

既に安価な油ではなくなってきているのかもですが・・・。


加えて、今年は大豆の国際価格が上昇しているので、
大豆油の代わりにパーム油という話もあるらしい。
「日本のパーム油輸入、過去最高の水準も-大豆相場の高騰で代替需要」(Bloomberg、2012年5月23日)


そんないいことずくめのようなパーム油ですが、もちろん問題もあり。
以前ポロチクのサトウキビ農場の話を書いた時に
エル・エストールのアブラヤシ農場がどんどん土地を入手しているという話にも触れたと思うのですが、
アブラヤシは果実の中に油を分解するリパーゼという酵素を含んでいるため、
収穫後24時間以内に加熱して、この酵素を不活性化する必要があり、
そのため採油工場は農場の近くに建設する必要があるのだそうです。
そうなってくると、小さな農場では効率が悪い。
というわけで、大規模農場でのアブラヤシのプランテーションが展開されることになり、
つまりは森林伐採、地元の農民からの土地の買い上げに係るトラブルが出てきます。


これはこのアブラヤシ農場に限ったわけではなく、
サトウキビ農場でもそうでしたし、
もっと言えば、グアテマラに限った話でもないのでしょうが。


パーム油については、NPO法人 アジア太平洋資料センターさんの
「PARCビデオ・DVD『パームオイル 近くて遠い油のはなし』資料集」

に丁寧にまとめられていますので、ご関心のある方はご一読ください。


<参考資料>



[ 2012/10/14 06:40 ] できごととか | TB(0) | CM(0)

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