セリート・デル・カルメン III 

Cerrito del Carmen

前回の1871年のグアテマラシティの写真に
似たような角度で一枚撮っていたのがこれ。
木と木の間、向こうの方にポツリと見える青い丸屋根がカテドラルで、
右側の木に一部隠れているのがパラシオ・ナシオナル(国家宮殿)。


140年の間に全く変わってしまったのね・・・(まあそりゃそうか)。


Cerrito del Carmen

一番目立つ建物は一際大きいパラシオ・ナシオナル、
てなわけで、そっち方面にズームインしたのがこれ。
右側の教会はサン・セバスティアンかな。


さて、セリートの物語、実はまだ続きます。




聖母像を礼拝所に奉った翌日。
住民が祈りを捧げにやって来たのに、礼拝所はもぬけの殻。
そう、聖母像がいなくなっていたのでした。


誰もが泥棒!と思って方々を探してみたもののどこにも見当たらず。
結局、元のむさくるしい洞窟に「帰宅」されていたのでありました。


「一体どうしたことだ」
「マリア様ともあろうお方が実家に帰ってしまわれるとは」
「でもきっと、あの礼拝所がお気に入らなかったんだよ」
「あんなむさくるしい洞窟の方がいいっていうのか」
「わしらにはわからん」
「マリア様に聞いてみるしかないんじゃないか」
こうしてフアンに、礼拝所を建てるから聖母様にどこがいいか聞いてほしいとお願いしたのでした。


その数日後。
フアンは皆と町の真ん中にある丘に行ってみました。
そしてその丘とカルメル山が似ていることに気づき、
この丘に礼拝所を建てて聖母像を奉ることにします。



私はカルメル山に行ったことないので、
はっきりしたことは言えないのですが
カルメル山って少なくともこのセリートよりはかなり大きいし、
山の上からは地中海が見える!という話。


確かに平地の中にぽこっとできているところは似ているのかもしれないですが
セリートは1,2分で登れちゃうし、
この前帰省した時に行った金沢城址の方がよっぽど大きいわ・・・。


まあでもマリア様が「ここにする!」って言ってくれれば、
大きいとかそんなことはどうでもいいわけで。




セリートは草ぼうぼうの荒地だったのですが、
住民はさささっと草刈りを済ませると小さな小屋を2つ作り、
1つに聖母像を、もう1つをフアン用としたのでした。


ここにちゃんとして礼拝堂が建設されたのは1620年のことで
壁には石材、屋根には瓦が使われ、
フアンが寝起きするための居室も礼拝堂の前に造られていました。


こうしてできた礼拝堂には付近の住民のみならず、
ピヌラ、ミスコ、ペタパといった
現在のグアテマラシティの隣町からも人々が訪れ大賑わい。


そうしていつしかこの付近は
バイエ・デ・ラス・バカスという名前から
バイエ・デ・ラ・エルミタ(Valle de la Ermita、隠者の谷)と呼ばれるようになりました。



まあ、隠者の谷も間違いじゃないけれど、
なんで聖母の谷とか呼ばれなかったんだろう?と思うのは私だけですかね?


現在でもグアテマラシティのあるこの盆地は
バイエ・デ・ラ・エルミタと呼ばれていますが、
その名前の由来はフアン・コルスだったということになります。


この数年後、フアン・コルスは忽然と姿を消してしまい、
その後の行方についてはまったく不明です。


でもフアンがアビラから持ってきたカルメル山の聖母像は
今も大切に受け継がれ、毎年7月16日のカルメル山の聖母の祝日には
プロセシォンは行われるし、露店は出るしのお祭り状態。


Cerrito del Carmen

ま、そんなお祭りのない普段の日にも
ふらりと立ち寄ってぼーっとするのに良さそう。


今度はもう少しお天気の良い日に行ってみたいな。


[ 2012/08/23 23:52 ] 街角 | TB(0) | CM(0)

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