政府の立場-ポロチク地方のこと 

2004年から2008年まで大統領にあったオスカル・ベルシェが
2005年のインヘニオ・グアダルーペのポロチクへの移転に際し、
ウィドマン一族の姻戚として、影響力を行使しなかった・・・
なんてことはありえないわけで。


実際、息子のオスカル・ホセ・ベルシェ・ウィドマンは
エネルギー問題や民営化、M&Aなどを専門とする弁護士で、
1989年よりインヘニオ・グアダルーペの幹部かつ法務顧問、
更に国内の水力発電等を請け負うコンチネンタル・エネジー・コープ社の役員でもある人物です。


大統領という立場と影響力をバンバン行使してポロチクに移転し、
土地を買い集めたり、借用したりして、チャビル・ウツァフを立ち上げ。
2006年にはBCIE(中米経済統合銀行)からの融資も決定。
ついでにリオ・ドゥルセからパンソスを通り
タクティクでインターアメリカンハイウェイ14号線に合流する
国道7号東線の整備計画のための融資もゲットします。
融資したのは気前の良さと腕の確かさでは世界一の国
オスカル父ちゃん、やるな・・・。


ま、そんな次第で意気揚々と新プロジェクトを立ち上げたまでは良かったけれど、
予想外だったのが地元の農民の抵抗だったということなのでしょう。
この「地元農民」には買い取られた農場で働いていながら
受けるべき権利を受けることができなかったモソ・コロノも含まれます。


解決できないでいる間に、アルバロ・コロンが大統領に就任。2008年のことです。
コロン大統領が残した一番大きなものは富者と貧者の対立だったと思う私ですが、
貧者の大統領と名乗るコロン大統領が、
全然貧者の側になんかいないじゃん!と見えてしまうのがこのポロチク。


ポロチクにはポロチク開発協会とかポロチク友の会とか言った名前のNGO組織があるのですが
メンバーは地元の地主達。
地元住民への開発協力などももちろん行うのですが、
本当の目的はサトウキビ栽培の拡大という話もあり。
で、こういった組織の中にコロンが大統領に当選した際に
多額の資金を提供した人物がおり、直接電話でやり取りできる仲だという話があります。


その辺りの真偽の方はともかく、コロン政権になってから
立ち退き命令の執行が増えたのは事実です。
ラファエル・ランディバル大学の「グアテマラの平和建設のための紛争調整研究所」のラウラ・ウルタドによれば、
チャビル・ウツァフの地所を占拠する農民たちへの立ち退き命令が執行されるようになるのは
2008年以降のことだそうです。
それ以前にも農場主の嫌がらせみたいなことはあったそうですが、
当局が手を出すようになったのはこの頃。
同時並行的に話し合いも進められますが、こちらの方は一進一退。


そんな折、フアン・ルイス・フォントによれば
チャビル・ウツァフのカルロス・ウィドマンが大統領夫人であったサンドラ・トーレスと会見、
その場で内相カルロス・メノカルは「立ち退き執行には判事命令があったらいいんよ」と
さらさらっと自分の手を洗ってしまったのでありました。


ちょっと話がそれるのですが、3月の初めの頃、
経済界を中心にこのメノカルの更迭を要求する動きがありました。
その頃頻繁にあった農民組織等による道路封鎖に業を煮やした商業会議所などが
憲法裁判所に対して「警察は移動の自由を保証しなければならない」、
つまり道路封鎖があった時には警察が彼らを立ち退かせなければならないでしょ、てな訴えを起こし、
これが認められていたのですね、確か。


ところが、憲法裁判所の決定がありながら、あらたに道路封鎖が行われた時に
警察が何のリアクションも取らなかったために更迭を要求する声がわーわー上がり、
こうしてメノカルは既に外堀を埋められてしまったのでした。


裁判所の立ち退き命令は2月5日に出ています。
執行のために与えられた期間は45日。
執行されたのは38日目のことでしたが、
立ち退き命令が12ヶ所に及んでいたことを考えれば
ギリギリの日程だったのではないかと思います。
警察曰く「地形とか状況把握に1ヶ月かかったんだよー」ということらしいですが、
それでいて死傷者を出してしまったのなら、もっとお粗末なわけで、
そのお粗末さの罪を問われて逮捕されたのが当時の警察特殊部隊(FEP)の隊長さんなのであります。
どうも人身御供的に見えちゃうんだけれど、きっと気のせいだろう・・・。


大体、この立ち退きは政府や警察が率先してやったわけではなく、
判事命令があったので、やりたくないけど仕方なく執行しただけですからね。


こうして誰にとっても不幸な立ち退き命令が執行されてしまったのでありました。



[ 2012/05/18 23:27 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

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