サトウキビ畑の子供達 6(完) 

6. 組合や統計の不在を指摘する大使館の報告書

2008年6月付の外交公電08GUATEMALA693は
プラサ・プーブリカがサトウキビ畑で見たことを裏付けている。
公電では、出来高払いのサトウキビ収穫の労働制度は
「強制労働と児童搾取」
と呼ばれている。
「法的条件を満たした状態では人間的に実現不可能な、過剰な割当を雇用側が規定」
する制度なのである。


ジェームズ・ダーハン(訳注:当時の米国大使)の署名があるこの報告には
「砂糖産業は否定しているが、児童労働は幅広く存在している」
と書かれている。
この米国大使館の公電には更に
「割当を達成できない労働者は解雇すると脅されるため、
 結果として重労働を強いられることになる」、
「そのため労働者は毎日12時間以上働き、能率向上のために薬物を使用するのが一般的となっている」
と記述されている。


フラメンコ農場の労働者もそれを認めている。
レオネル・エルナンデス(24)によれば「ビタミンB1と眠気覚ましの錠剤」なのだそうだ。
「体は薬物に慣れてしまってもっと欲しがるようになるけれど、薬でも使わないと4トンも刈収穫できないから」。


労働者の要求を封じる手段として砂糖農園が80年代に使った手段は
政府の治安部隊と協力して行った選択的暴力であったが、
21世紀最初の10年に行われている労働搾取は2つのメカニズムを使うことで可能となっている。


一つ目は基準を守らない納入業者からサトウキビを購入すること。
二つ目は「既存の法規をすりぬけることを可能とする幅広い汚職の存在」である。
アメリカ大使館の2009年10月の公電09GUATEMALA1102はこのデリケートな指摘を確認し、
前年の報告を補填する内容となっている。
経営者による労働法侵害が何の処罰もされないまま常態化しており、
不十分なだけではなく不正行為が多発する監査システムと労働省は軽視され、
司法制度は常に経営者に有利だと公電は糾弾している。
そして最後は
「労働者は自分たちの権利を行使しようとすらしない。
 それをすれば仕事を失うことを理解しているからだ」
と結ばれている。


7. 狭い出口

この不法かつ時代遅れな行為の連鎖から逃れるのは容易ではないように思われる。
小学校に行かない子供達がより良い職業を見つけるのは困難である。
グアテマラはアメリカ大陸諸国の中でも教育に関する指標は最低である。
国連開発計画の人間開発報告書は、この地域の就学年数平均が7.78年であるのに対し、
グアテマラは4.14年に過ぎないと記している。
児童労働や一人当たり所得についても同様の傾向が見られる。
教育に関する指標はこの地域で最低の結果となっている。


別の仕事につく可能性についてペドロ・ルイス・O(15)に尋ねてみた。
「町で仕事するなら読み書きができないと」と
彼は恥ずかしそうに、あまり希望のない現実的な返答をしてくれた。
ペドロ本人は知らないところでデータを裏付けてくれたのだ。


ケネディ(13)が仕事の中で一番好きなのはサトウキビの一片をマチェテでむいて、
店頭で売られている紙にくるまれたキャンディーであるかのように噛り付くことだ。
「ここだとタダだし。キャンディーみたいにお金払わなくてもいいんだよ。
 これから砂糖を作るっていうけれど、実際に見たことはない」。


そういう無邪気さを既に失った彼のおじバシリオ・オルテガ(38)は諦めたように言った。
「働けるのはいいことだ、仕事がなければ金も食べるものもない」。
そう口の中でもごもごと話した。


他方、クシエクはこのレポートや「個人的、経営的」な理由により、
サトウキビを製糖所に卸すのは止めて、砂糖業者に農場を貸すことに決めたと宣言した。


Asazguaはクシエクに懲罰を課すこともなければ、サトウキビの購入を止めることもない。
事実関係の調査さえしないだろう。
もちろんそれはAsazguaの仕事ではなく、一義的には政府の仕事なのである。

(完)


[ 2012/02/27 23:23 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

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