サトウキビ畑の子供達 5 

5. 対立する見解


グアテマラでは法が守られていないとか人類学的問題だとかいうのとは別に、
誰と話すか、どこから情報を取るかによって、相反する世界観が現れる。


38歳のウルバノ・オルテガは、外見からは60歳にしか見えない。
オルテガはサトウキビの刈り取りを行う労働者グループのリーダーで、
労働条件について法律でどう決められていたとしても、改善することは難しいことを理解している。
「時々、皆でこの山に集まって、農場主と話をします。もちろん丁寧に話しますよ、
 そしてもう少し賃金を上げてもらえないかと頼むんです。
 だけど全然ダメですね。3年前から少しも上がっていません」。


リベラやオルテガが話している低賃金は、
彼らが全く与り知らないところにある資料でも確認することができる。
国連開発計画が作成している人間開発報告書によると、
2011年のグアテマラの人口一人当たり国内総生産は
前年並みを維持するどころか$567に減少している。


他のサトウキビ労働者がそうであるようにオルテガも、
砂糖農場には行動を起こすどころか、
せめて労働環境の改善を交渉することができるような組合が存在していないことを知っている。
組合はなくなってしまった。
Asazguaのデータによれば、
グアテマラにはサトウキビの収穫を行う労働者が33,000人、
砂糖産業に従事する労働者が65.000人いることになっている。
しかし組合に加入している労働者は1人もいない。この事実には様々な側面がある。


ピネダにとってはこういうことだ。
「組合を認めていないわけではありません。
 そうではなく、必要じゃないということです。
 労働者と経営者の間には信頼関係が築かれており、
 それを失うようなことは誰もしたがらないからです」。
彼女は、実際のところ、
平均すると法定最低賃金の規定に64%上増しされた金額を支払っていると言っている。
その証拠として出してきたデータはあまりにも独りよがりのデータであり、
どちらかと言えばどんぶり勘定的なものであった。
「労働者の98%が満足していると言っている」
「労働者の86%は次の収穫時期に同じ砂糖農場に戻って来る」。
こんなとんでもない数字を出してくるのは北朝鮮やアフリカの独裁国家で行われる住民投票ぐらいである。


そこで、それではどうして農場に新聞記者の立ち入りを認めないのかと尋ねてみた。
ピネダは「このケースについてはわかりませんが、
多分、外部の人間が労働者をたきつけないようにしているんじゃありませんか」と回答した。


国連の歴史究明委員会(CEH)は、
コスタスールの砂糖関連産業でサトウキビの収穫を行う労働者らを内部からたきつけようとした結果、
その結果として組合が消滅してしまったという経緯があることを示している。


1980年3月、国内すべての砂糖農場を7万人の労働者が占拠し労働条件の改善を要求、これを勝ち取った。
当時の要求勢力がどれくらいの力を持っていたかというと、
例えば、この地域で最大のパンタレオン砂糖農場は
サトウキビの収穫を行う労働者の50%が組合員であった。
これがわずか3年後の1983年3月、農場の組合幹部5人の内3人が誘拐され、未だに行方不明のままである。
いずれもゲリラと関係があるとされていた人物である。
1984年、組合と何らかの関係があった労働者は全員解雇された。


1980年の大規模ストから1984年初めの組合解体までの3年間に、
コスタスールにあった砂糖関連の砂糖農場23の組合はすっかり消滅してしまった。
CEHはその報告書で「パンタレオン農場の組合幹部や顧問は、
国の治安部隊あるいはその共犯として活動した何者かに捕らえられ、
その後失踪したものと推測される。(…)
この結論は経営者側が治安部隊と関係があったとされること、
(…)組合幹部が何人も殺害されたことなども含めて、
組合活動を解体するという国の方針に協力していたことを裏付けている。



[ 2012/02/22 23:18 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

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