惨めな芸術家たち 

私が現在のアルバロ・コロン政権のお金の使い方に批判的なのは
このブログをご覧の方ならお気づきだと思うのですが、
「やっぱり・・・」とちょっとタメイキの出る話が新聞に出ていました。


それがこちら
「惨めな芸術家たち(Pobres Artistas)」と題されたこの特集、
またしてもマルタ・サンドバルのものですか・・・。


ここで取り上げられているのは
国立交響楽団
国立バレエ団
国立合唱団 の3団体。
いずれも文化スポーツ省(Micude : Ministerio de Cultura y Deporte)に属しており
それぞれのメンバーは公務員・・・・・・のはず。


しかし、この3団体、いずれも今年は大幅に予算を削減され、
何とかかんとか公演を行っているような状況。
それなのに更に47%の予算削減が行われる(今年の降雨災害等のために)という話もあり
それには忍耐強い芸術家たちもさすがに立ち上がらざるを得なかったようで
抗議活動を行った結果、削減案はとりあえず回避されました。
少なくとも現在のところは・・・・・・。


国立合唱団は団員42名を抱えており、年間予算はQ30万。
団員の平均給与はQ2,000($250)。


昨年ケツァルテナンゴで公演を行っているのですが、
Micudeからはその時の旅費が未だに未払いで団員負担のまま。
毎年クリスマスには10回程度の演奏会を行っていたのに、昨年は2回のみ、
今年はできるかどうかすら不明・・・・・・という状況。
また、例年7回程度の地方公演を行っていたけれど、旅費がないので、今年は年に2回のみ。
練習するために自前のピアノすらない・・・・・・というちょっと考えられない状況。
いっそ解散しちゃえよ。って思うくらいなお寒い状況。
合唱なんて一番お金かからないのにこれか・・・・・・。


国立バレエ団は近代・民族バレエ団の予算がQ60万、グアテマラバレエ団がQ325万。
平均給与はQ3,500で、近代バレエ団のメンバーは30人、
グアテマラバレエ団は40人を擁しています。


バレエは創作物も古典物もお金がかかる芸術ですが
そんなお金はどこにもない!
というわけで公演がある度にいつもいつも同じ演目、同じ振り付け。
20年前に作られた衣装が現役で活躍しているくらい
お金のない=衣装のない バレエ団なのでありました。
予算不足のために、7月に予定されていた公演も中止せざるを得なかったとか・・・・・・。


それでも近代・民族バレエ団の方は海外からも時々お声がかかったりします。
今年はフランスからいくつかのフェスティバルに参加しないかという打診があったにも係わらず
予算がないのか、Micudeが無関心だからなのか、とにかく参加できず。


古典バレエのグアテマラバレエ団の方も状況は同様で
今年は一度も地方公演を行っていません。
予算の半分以上は団員の給与となるため、
新しい作品を取り上げることなど、夢のまた夢。


国立交響楽団の団員は68名。
年間予算はQ500万で平均給与はQ3.000。


今年の5月にはこんなことがあったとか。
外国人の客演指揮者を招待し、ホテルを予約。
費用を持つのはもちろんMicude。


ところが、この時の宿泊料が現在に至るまで支払われておらず
ホテル側は今後は国立交響楽団には前払いでしか予約できないことを通告。
こうしてオーケストラは外国人の指揮者や演奏者を招聘することができなくなったのでありました。


オーケストラが所持する楽器は2001年に日本政府が寄贈したもので
それ以降は一度も新調されたことがありません。
もちろん修理のための予算もないので、
大半の楽団員はなけなしの給料から自前で楽器を調達しています。


それでも楽団が存続できるのは、わずかQ50程度ながらも
演奏会で入場料収入が得られるからだとか。


今年は海外公演のための旅費もカットされてしまっているので、
海外公演は不可。
例年10回程度地方へ行って演奏会を行っていたのに、
今年は予算がないため、
招待者が旅費を負担してくれた時に限り公演が可・・・という寂しい状況。


実は2007年、国立交響楽団は「Micudeから分離し、独立機関にしてほしい」
と国会に法案を提出していたのでありました。
どっちみち国をアテにしても全然ダメ、
かと言ってなまじ国立という看板があるだけに、縛りも多くて何もできない。
そんなくらいだったら、国のお金はアテにしないから独り立ちさせてくれ!
という気持ちの良い法案らしいです。


しかし、この法案はそのままお蔵入り・・・・・・。
いやでも、さっさと決めて独立採算制にすれば、
国立交響楽団の予算がそのまま浮くのにね・・・・・・?


その一方で、今年の夏(って3月とか4月ですよ、グアテマラでは)に行われた
「ビーチへ行こう!」プログラム。
グアテマラシティから貸切無料バスでサンホセ海岸へ大量の人を運んだわけですが
このお金は文化予算からQ250万、
その他の予算からQ100万が支出されています。
その中には参加者が無料でもらったTシャツ、ビーチタオル、帽子なんかも含まれていたり。
このプログラムは思いっきりポピュリズムの香りのするものでありますしね・・・・・・。


まあそりゃもちろん、グアテマラのような国では
「治安問題を解決しろ」「インフラ整備しろ」
「今年の天災被害はどうするんだ」という喫緊の問題が多々あるわけで
文化はそれから比べれば予算減額されても仕方ないでしょ・・・・・・、
という人がいるのも事実ですが。


でも、ですよ。
文化を大切にしない国には、夢がないし、未来がないと私は思うのです。
子供達が成長する過程で、スポーツや芸術に触れるのは必須ですし、
音楽や絵画や舞台芸術といったものから得られる感動は他では味わえない種類のものです。


そうして絵や音楽や舞踏に目覚める子達というのは少なからずいるものです。
実は国立の舞踊学校があったのですが、ここも予算がないという理由で
今年閉校に追い込まれてしまいました。


お金のある人は別のところに行くことができますが、
そうじゃない家庭の子たちにとっては、機会を失うことになるわけです。
特に音楽や舞踊は、小さい頃から続けることが大切な芸術ですから。


でも芸術家を育成するための予算は全くないのです。


一方で、グアテマラシティに数ヶ所、
Micudeの予算で公園やグラウンドが建設されることになっています。
「市民の憩いのため」なんだそうですが、
こんな事業は自治体にやらせればいいはず。
何故にMicudeが少ない予算から一部を削ってやらなければいけないのか、
私には理解不能です。


はあ、ちょっと書いたらすっきりしたかも・・・(ここは私の愚痴の吐き捨て場だったのか)
何にせよ、限られた予算の中でできることには限度があるでしょうが、
だったら何もかも国立ナントカや国の文化財に指定するのではなく、
できる物についてだけは責任をもつ、という風にして欲しい。


国立競技場の荒れ果て方もちょっとすごいしね・・・。
あそこ、恥ずかしくて「国立」と呼べないよ、ホント。
でも誰が指定したのかしらないけれど「文化財」になっておりまして
改築すら簡単にできない仕組みになっています。
自分で自分の首を絞めて、ホント、どうするんでしょ。
文化財とか国立ナントカの整理からまずは始めるべき、というのが今日の結論でありました。



[ 2010/09/27 23:32 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

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