パボン物語 VI 

アレハンドロ・ジャンマテイ(Alejandro Giammattei)は2006年から07年、
刑務所や拘置所を管轄する更生施設局の局長を勤めた人物です。


オスカル・ベルシェ政権下(2004~08年)、
刑務所関連では囚人の集団脱獄事件があったり、
刑務所が実は当局ではなく囚人の支配下にあることが取り沙汰されたり、
確かそんな時期に局長に就任したのだったと思います。


そのジャンマテイの「功績」とされたのがパボン刑務所の改革。
パボンは既決囚の社会復帰を目的とした刑務所なのですが
ここは囚人らの自治委員会である規律委員会というのが支配していて
当局の担当者でもおいそれと中に入れないようなところ。


この世を謳歌している囚人は敷地内に家を建設し、
家電製品完備の優雅な生活を送り、
一方上納金を納められない囚人はこき使われたりしていました。


そういう話をなんか以前書いたような記憶があるな・・・
と思って探したらありました。なんと全5部作。
パボン物語 I
パボン物語 II
パボン物語 III
パボン物語 IV
パボン物語 V

I~IVは当時の新聞に掲載された記事を訳したもの
Vはそのパボンを再び当局の支配下におくべく行われたオペレーションについて。
ざっと読み直して若干手を入れています。


さて、その2006年9月に刑務所を指揮下に治めるために行われたオペレーション、
どうやらパボ・レアル(孔雀)という名前がついていたらしいのですが
その時に規律委員会の幹部7人が殺害されたことに関して
「超法規的処刑」という罪名にて18人に逮捕命令が出されています。


前述のジャンマテイもその一人。
その他にも当時の内相カルロス・ビエルマン、
警察庁長官のエルウィン・スペリセンなどがいるわけですが、
ジャンマテイがクローズアップされているのは
前回選挙時の大統領候補であった人であり、
先週金曜日に「脅迫を受けている」としてホンジュラス大使館に亡命を求めた人であるから。
ジャンマテイ、現在もホンジュラス大使館にいるそうで、
同大使館の前には当局の見張りがついているという物々しさ。


この事件の捜査には当国の人権擁護局(PDH)、そしてCicigが絡んでいます。
事件が正式に再捜査されるようになったのは先月のことと聞いていますから
ちょっとびっくりするような展開の速さであり、
呆気に取られるような出来事でもあります。


なぜなら、当時はこのオペレーション、大喝采を受けたのですよね。
私も快哉を上げた内の一人です。
それなのに何故今頃になって・・・・・・、という部分については
いろいろ思うところもあるのですが、
これはもう少し状況を整理してから書くことにして、
PDHには「くそったれの役立たず!」という名称を贈呈させて頂きたいな、と。


当時、パボンで囚人の人権が著しく侵害されていた時、
そのためにPDHが何かしたことがあったんだろうか。
人権を抑圧している人物を限定して当局が殺害を決定したのは法的には違法。


それはその通り。


でも、その選択肢も已むを得ないくらい、切迫した状況だったのだと思う。


それを思えば「殺された7人の人権は」なんて口が裂けたって言えるものか。
自分が正義です、なんて面してテレビカメラの前に立てるものか。


大多数の国民のために善をなそうとした人たちが
こんな風に公開処刑されてしまうのは、見ていて胸が痛いです。


ジャンマテイは来年の大統領選挙にも出馬すると見られていましたから
政治的理由による社会的追放という見方も成り立ちます。
現政権にとって、証拠をいじったり、有利な証言をしてもらうこと、
何の造作もないですからね・・・。


またしてもどんよりと絶望してしまうような出来事ではありました。


[ 2010/08/10 23:54 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

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