飢餓 

今日9月15日は独立記念日。
それを祝うかのような快晴の一日で、気持ちの良いことは良いのですが。


今年の雨季の降雨量の少なさは記録的だという話です。
この30年間で降雨量は最低だとか。
まだ雨季は終わっていませんが、この先もさほど雨が降るようにも思えず、
最近では晴天で一日が終わると、タメイキが出てくるくらいです。


農作物にも既に影響が出ている上、
今はまだともかく、乾季になれば水不足になるであろうことは火を見るよりも明らかで、
水不足であれば電気の方もまた発電量が足りなく可能性もあり、
普段の生活が影響を受けるなぁ~、と個人的にも気が重いのですが。


そんな個人的な話はまあともかく(先のことを心配してても仕方ないですし)。
グアテマラの東部、ホンジュラスやエルサルバドルと国境を接する地域は
国内でも降雨量が少ない上、特に北東部は土地も痩せている地方です。
そんなわけで、降雨量が少ないと直ぐに影響を受ける地域であることは
これまた火を見るよりも明らか、なのですが。
8月の初めのことでしたか。
この乾燥地帯(Corredor Seco-コレドール・セコ-と最近呼ばれておりますが)の一つ、
ハラパの国立病院の小児科医が「食糧不足のため死んでゆく子供がいる」ことを告発しました。


グアテマラはこの地域の国の中でも乳幼児死亡率の高い国ですが、
特に地方の貧困世帯ではこの死亡率も高くなっています。
Unicefの2009年4月の報告によれば、
グアテマラの子供たちの2人に1人は慢性栄養失調で、
先住民の5歳以下の乳幼児の80%は十分な食糧を得ていない、んだとか。
(先住民は一般に子沢山、という状況抜きでは語れないとは思いますが)


でも今回影響を受けているのは先住民世帯ではないのです。
この乾燥地帯、先住民もいるのですが、ラディーノ(混血)が多いところで
それ故に各国のNGOからの援助も少なく、
実は国内では一番貧しい地域じゃないのかしらん、と私は思っています。


既に25人の子供達が栄養失調のため亡くなったと言います。
現在栄養失調で手当てを受けている子供達もまた多々。


栄養失調と言うと2001年にチキムラ県のカモタンやホコタンでも
同じようなことがあったことを思い出します。
チキムラもやはりこの乾燥地帯に当たっており、
今年もやはり影響を受けているようで、
このまま旱魃が続けば、この状況が国内全域に広がる可能性もあるかもしれません。


政府の対応は鈍く、当初大統領は
「これは飢餓ではない。食糧はある。
食糧はあるけれどそれを買うための金がないために起こったことだ」
と非常事態宣言なんかしないよ、と言っていたのですが、
外国からの「非常事態宣言してくれさえすれば、緊急援助できるから、して」
との外圧に負けて、9月9日くらいでしたか、やっと非常事態宣言を宣告。


政府がもたもたしている間に、他の団体が独自に支援物資を送ったりしており、
小僧の学校でも援助物資を集めて持っていく、なんてことをやっておりました。


当面の対応はまあこれで良いとしても、
慢性的な栄養失調を抱える子供達が多いのはやはり心配な話です。
某大統領は非常事態宣言を出した時に
「旱魃もあったし、経済危機だって深刻だけれど、そんなことよりも、
この国って昔からビンボーとか超ビンボーとかあったわけで、
そりゃ栄養失調にならなきゃウソだって。
これ、オイラのせいじゃなくって、歴史とか、国の仕組みが悪いんだから。
そこんとこ、ヨロシク」
てなこともおっしゃってたみたいです。


過去に問題があったことは否定しないけれど、
旱魃による食糧不足を予期できなかったのはともかくとしても
対応が後手後手に回った感は否めないです。


何よりも貧困層のために働く政府をモットーとしていながら
その層を拾いきれなかったというのはちょっと痛い。
大統領夫人のやっているコエシォン・ソシアルのプログラムは
就学年齢の子供達を対象としていますが、
それ以前の子供はプログラムの対象となっておらず、
乳幼児を裨益対象とするプログラムがあれば、
これほどの状況にはなっていなかったかもしれません。


加えて、貧困層対策の中心となるべき教育相と保健相が
9月に入ってから相次いで交代しています。
教育相は辞任、保健相は更迭という違いはあるものの、
保健相の更迭は、大統領が言うには
この栄養失調の対策でもインフルエンザ対策でも最近流行っているデング熱対策のいずれもうまくいかなかったからではなく、
国会で保健相セルソ・セレソに対する質疑が行われた時、
「党の方針に従わなかったから」なんだそうです。
ちなみにセレソ、国会の質疑が終わった後はマスコミが待ち構えていたところを
「あっという間に走って逃げた」んだそうで、
大臣更迭後はグアテマラ陸上協会からお誘いがあるとかないとか言われています。


もっとも、質疑が行われた後は不信任決議が提出される予定になっており
与党からもセレソを辞めさせろ、って声は大きかったようですから、
大統領が更迭したことで何とか体面を保ったつもりだったのかもしれませんが。
ちょっと遅すぎの感はあります。


骨と皮に痩せ細った子供達の写真を見て
「ここはアフリカと同じレベルなのか」
ともらした人もいました。
国全体で見た時にはそれほど貧しいはずではないこの国ですが
その一方で小さい子供達が栄養失調で亡くなっていくこの不条理。
これを解消していくために必要なのは何なのでしょう。


・・・・・・まずは水乞いか、多分。



[ 2009/09/15 12:56 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://guatebuena.blog108.fc2.com/tb.php/665-cfb7ff44