クリスティアン・ポベダ 「La Vida Loca(ラ・ビーダ・ロカ)」 

ちょっとしばらく放ったらかしになってしまいました。
その間、相変わらずいろいろあったことはあったのですが、
今日はこんな話を。


マラス(maras)とかパンディーヤ(pandilla)と言えば
中米から北米にかけて活動する青少年を中心とした犯罪集団のこと。
構成メンバーは若いですが、人を殺すことを何とも思わない冷酷さや残酷さは
ギャングやマフィアにも引けを取らず、
特に中米では市民の平穏を脅かす大きな要因となっています。


そのマラス、エルサルバドルが発生の国という話ですが、
そのエルサルバドルでマラスを追いかけ、写真を撮り、映画を製作した
スペイン系フランス人のクリスティアン・ポベダ(Christian Poveda)が
9月2日にサンサルバドル郊外で殺されたとか。


エルサルバドルの二大マラスと言えば
マラ・サルバトルチャとマラ18(ディエシオーチョ)で
(ちなみにグアテマラで活動するマラスもこれと同じ)
この両者には激しい抗争が存在しています。


2日、ポベダはマラ18を取材した後を襲われたとされたようなのですが、
警察は容疑者を既に逮捕したとか。
ただし、容疑者や事実関係に関する情報は現在のところ公表されておらず、
唯一「ポベダは信頼していたマラスのメンバーに殺された」という話が伝わってきているくらいです。


ポベダの両親はスペイン人で、スペイン内戦時代にアルジェリアに亡命、
当時はフランス領であったアルジェリアで1955年に生まれたのがクリスティアンだとか。
西サハラ紛争、グレナダ紛争などの取材で注目を浴び、
やがて内戦時代のエルサルバドルへとやって来たのがこの国との縁の始まり。
近年はエルサルバドルでマラ18をずっと取材していたようで、
危険には慣れていた方ではあったのでしょうが、
一方でマラスからの脅迫を受けていたという話もあり、
個人的には「やっぱりマラスは怖い」という印象を更に強めただけなのでありました。


そのポベダが製作したマラスのドキュメンタリー映画が
La Vida Loca(ラ・ビーダ・ロカ/クレイジーな日々)。
サンサルバドルに隣接するソヤパンゴのマラスの日常が綴られています。


映画のトレーラーはYouTubeで見られます。
英語字幕付。ちとドギツイです。18歳未満の方は見ないように。





全編、89分はこちらで見られます。ただし、スペイン語オンリー。
全部は一度に見られないような仕組みみたいですけれど。


マラスと言えば仕事もせずに恐喝とかドンパチとかして
遊んで暮らしている、なんてイメージを持っていたのですが
案外普通に人間臭い顔をしているのにはちょっとびっくり。


また、足を洗いたいと思う人もいるはずですが、
足を洗うと報復もあり、迂闊にはそんなこともできないのです。
途中、「どうしてグループと縁を切れないの」と
判事に迫られてたじたじしてる男性が出てきますが
そんなに簡単に縁を切れるようなら、
ここいらの国のマラスの問題はとっくに解決しているわけで。
縁を切りたい人が安全に生活できるような仕組みを作ってあげないことには
どうにもならんわけです。
とは言え、私も元マラがいる、とか言われたら避けて通ると思いますが。


彼らの生活が一見滅茶苦茶明るくテンションが高いのは、
明日は自分が殺されるかも、という危険と背中合わせだからなのかもしれないなぁ。
絶望したりはしないんだろうか。


ポベダさんの冥福を祈りつつ。



[ 2009/09/07 00:10 ] エルサルバドル | TB(0) | CM(0)

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