エル・ミラドール遺跡 

ユカタン半島にあるペテン県は熱帯雨林に覆われた地であると共に、
マヤの遺跡がたくさんあることで知られている地域です。
もう発掘され、観光客が多々訪れるティカルのような大規模な遺跡から
もっと小規模でほとんど手付かずの遺跡まで各種多々。


まだ発見すらされていないものすらあると思われるわけですが、
今回取り上げるエル・ミラドール遺跡はマヤの遺跡の中でも最大規模。
場所はグアテマラの最北端、メキシコとの国境近くにありまして
最寄の町から徒歩2日、馬で9時間、飛行機で数時間、
それでも年間3000人くらい観光客が来る、って本当なんでしょうか。
数年前からアメリカの援助を得て、発掘調査が進められています。


紀元前600年頃に建設され、西暦150年頃に放棄されたと見られるこの都市、
マヤの歴史の中では前古典期後期の頃になるんだそうです。
マヤの文化が最も華やかだったのは古典期とされていますが
それ以前にもティカルの4倍はあろうかという
こんなどでかい都市を築き上げ、
例によって、ある日突然その都市をまるごと放棄する。
相変わらず謎なことをしてくれるマヤ人たちですが
ひょっとするとティカルなんかも
エル・ミラドールの住人が築いた都市なのかもしれないですねぇ。


この遺跡だけでピラミッド数は4000を越えるとかいう話ですが
ここにあるラ・ダンタ・ピラミッドは高さ72m、
メソアメリカ一の背高ピラミッドになるんだそうです。


さて、本題。
そのエル・ミラドールの発掘調査で大きな石碑というか
石版というか、そんな雰囲気のものが発掘され、披露されました。
Prensa Libre / Desvelan friso de Hunapú e Ixbalanqué, en Petén
Siglo XXI / Belleza y mito se mezclan en friso



石灰岩のこの石、大きさは横4m、縦3mという巨大なもの。
製作は紀元前300~200年頃と見られます。
こんなに幅があるのは、新聞によって300と書いてあるのと
200と書いてあるのがあって、どっちが本当なんだかわからないから。
ドシエントスとトレシエントスを、
どうやったら聞き間違えるのか良くわからないんだけれど・・・。


さて、このブツ、貴族用のプールというか池というか風呂というか
とにかく貴族が水浴した場所の上部にあったのだそうです。


この保存状態もなかなか良さ気なレリーフ、
遺跡の調査に当たっているアメリカ人のリチャード・ハンセンによりますと、
「兄弟が川の中に泳いでいるところが描かれており、
 一人は父親の頭を背中に担いでいる」のだそうです。


ハンセン説によりますと、ここに描かれているのは
キチェー族の伝承であるポポル・ブーに出てくる双子の神、
ウナプ(Hunahpú)とイシュバランケ(Ixbalanqué)なんだとか。


ポポル・ブーに出てくるこの双子の父は殺されるのですが
その首、木だったか何かにひょいっと引っ掛けておかれるのですね。
双子はシバルバ(黄泉の国)の主と戦って父の首を取り戻し
父の名誉を守った、てのがその伝承に伝わる内容で、
このレリーフはそれを表したものであろう、と。


いや、ちょっと待って。
ポポル・ブーは、スペイン人の侵略後、
1701年にローマ字を使ってキチェー語で書き記されたもの、
ではありませんでしたか。


エル・ミラドールのこのレリーフ、
それより1700年くらい前に造られているはずで、
そんな時期に既にこの伝承が存在して、
そのままきちんと継承されてきたってことかい。


マヤ人の伝統継承能力は確かに凄いと思うのですが、
1000年とかっていう時を平気でぶっとんで来るのには
それこそぶっ飛ぶ。
それにキチェー族って、同じグアテマラでも
もっと西の山地に住んでいて、
この密林のマヤの人たちと
同族であったとは思えなかったりするんですが。


いやでも、こういうものの解釈は
本物のマヤの人たちにやってもらった方がいいのじゃないか、
てな気も致します。
まだまだいろいろな発見があると思われるこの都市、
できることならいつかその内訪れてみたいものですが・・・、
最寄の町から徒歩2日。
うーむむ、体力をつけておかなくては、ってことか。


場所はmonjablanca作の地図にマッピングしてあります。
探すときはその地図で「エル・ミラドール」と入れて検索すれば出てきます。
一緒に行きたい人、募集中。



[ 2009/03/08 23:21 ] マヤ | TB(0) | CM(2)

エル ミラードル

ああ、若かったらエル ミラードル行きに挙手します 本当に現場で見れたらと夢を見ています。 今考古学者の中村誠一さんの本を読んでいるところです。マヤ文明はとにかく面白いです そしてその頭脳のすごさに驚かされています。
[ 2009/03/10 06:47 ] [ 編集 ]

マヤは

>れいこさん

本当に興味深いです。
そんな古代の放棄された遺跡が
現在のマヤの人に本当に繋がっている、っていうのも
私にはちょっと感動です。

エル・ミラドールは多くの建物がまだ埋もれたままのようで、
ラ・ダンタ・ピラミッドも掘り出し作業、難航しているようです。
(そういうところで雇用を創出したらどうよ?てな話は置いておいて)
もう少し整備されれば、アクセスも整ってくるでしょうけれど、
何しろ完全な密林の中の都市ですから時間はかかりそうです。

でもやっぱり何だか心惹かれますよねぇ、古代の遺跡って。
[ 2009/03/10 10:07 ] [ 編集 ]

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