教皇の死と死刑制度 

グアテマラは死刑を採用している国の一つである。

 

数年前までは、なんとそれも銃殺刑!でも、久々に執行された銃殺刑がテレビで生中継(+録画で何度も)されたから、さあ、大変。予想されたこととは言え、「余りにも残酷すぎる」という世論がわき起こった(銃殺隊の撃った弾だけでは即死しなかった、というのも理由の一つ)。

 

残酷だと思うなら、見なきゃいいのにね。子供まで一緒になってテレビを見ているから、「死刑ごっこ」なんてぞっとするような遊びが、その後しばらく流行ってしまった。当時、私はテレビを持っていなかったので、新聞でしか見ていないのだけれど、最近の記憶力後退にもかかわらず、未だにちゃんと覚えているのだから、やっぱり強烈な印象を受けた、のだろう。ま、そんなこともあって、その後は薬殺制度に変更された。

 

さて、2002年にローマ教皇がグアテマラを訪問した時、当時のポルティーヨ大統領にお願いしたことの一つが、死刑制度の廃止、だった。

 

先日、教皇が亡くなって、現在のオスカル・ベルシェ大統領は、どうやら教皇のこの願いを思い出し、「グアテマラへの最後のお願い」を叶えてあげる気になったらしい。いきなり、「死刑制度の廃止を検討する」って言い出した。

 

でも、これにはまだまだ反対の声も多い、というよりは反対の声の方が多い、というのが現状。死刑が犯罪の抑止力になる、なんてのとは全然関係ない。「凶悪犯くらい死刑にしてくれないと、安心して生活できない」、と誰もが思うくらい、司法制度が腐敗しているからだ。

 

終身刑だと、いつか脱獄するかもしれない。数年前、凶悪犯だけを収容する最重警備刑務所から数十人が脱獄した、なんて前例も存在しているわけだし。

 

加えて、刑務所、っていうのは完全な無法地帯。刑務所を仕切っているのは当局ではなく、囚人。お金さえあれば、刑務所の敷地内に快適な家を持つことだって不可能ではないし、持込禁止のはずの携帯電話を入手して、外の世界へ恐喝の電話をかけている、って輩も多々いる(もちろん、外の世界に協力者あり)。

 

そういう現状を無視しての「死刑制度廃止」だったから、賛成の声が聞こえてこない。そのため、大統領も、最近いささかトーンダウン気味、多分これは実現しないだろう。まずは、もっときちんとした刑務所制度・司法制度改革から始めなければ(もちろん、死刑を廃止するよりも、こっちの方がよっぽど難しいけれどもね)。

 

いきなり死刑廃止、では、喜ぶのは凶悪事件を引き起こした死刑囚ばかり、になっちゃいますよ、大統領さん。




[ 2005/04/17 04:00 ] できごととか | TB(0) | CM(0)

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