教皇の椅子 

265代教皇がヨーセフ・ラッツィンガー枢機卿に決定しましたね。誰がなっても大変だろう、と言われているヨハネ・パウロ二世の次、ですが、どうやら枢機卿団は前教皇の路線を踏襲することを選んだようです。

 

さて、ヨハネ・パウロ二世の容態の悪化から今日まで、ローマ、特にバチカンの風景が連日報道されています。それを見るにつけ思い出されるのが、1990年に友人と二人でイタリアを旅行した時のこと。

 

フラ・アンジェリコの、息がとまるほど美しいフレスコ画のあるサン・マルコ修道院(フィレンツェ)や、中世を切り取ったままのようなアシジは、私の大のお気に入り。かなうならば、再び訪れてみたい場所です。そしてバチカンの方には、あの時限り、の大切な思い出があります。

 

システィナ礼拝堂やバチカン博物館といった見どころは、残念ながら時間がなかったので行けなかったのですが、大変な偶然と幸運に恵まれ、一般の人が入れない、バチカン宮殿の中に入れてもらうことができました。

 

様々な部屋や広間を通って、入れてもらった教皇の執務室(残念ながら教皇はいませんでしたが)。そこには机をはさんで椅子が並んでいます。教皇用の椅子と、来客用の椅子。見た目は同じ椅子にしか見えません。でも、さわって見ると・・・・・・。

 

クッションがきいているのは来客用の方で、教皇が腰かけるのは硬い椅子。そう、実はまったく異なる椅子だったのです。

 

執務室で教皇と会い、その椅子に腰かけて会話をされる人の、誰がこれに気づいているでしょう。

 

10億のカトリック信者の頭で、ペトロの後継者である方のこの自己犠牲、その余りのさりげなさゆえに、いつまでも心の底に残っているエピソードです。

 

きっと、ベネディクト十六世も、もうあの硬い椅子に腰かけて、仕事をなさっていらっしゃるのでしょうね。




[ 2005/04/20 18:18 ] できごととか | TB(0) | CM(0)

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