12日の新聞を読んでいて、思わず「座布団一枚!」とうなってしまった見出しがコレ。
EL POLLO A LA GRANJA. . . PENAL
(エル・ポーヨ・ア・ラ・グランハ...ペナル)
このタイトル、日本語にすると、「ニワトリ、ついに刑務所へ」というワケのわからない訳になってしまうので、ここで解説コーナー。
Pollo:鶏のこと。前大統領Alfonso Portillo(アルフォンソ・ポルティーヨ)のあだ名でもある。
Granja:養鶏場。他の動物を飼っている、比較的小規模の農場をさすこともアリ。
Granja Penal:刑務所。
すなわち、「ニワトリが鶏小屋へ」というのと「ポルティーヨが刑務所へ」というのが掛け合わされている、というワケ。なかなか気の利いたタイトルだと思いませんか?
さて、これは論説のタイトルだったのですが、既に何となくおわかりの通り、前大統領ポーヨ君に対し、検察庁が1年半をかけて、やっとこすっとこQ3000万(4億円以上)の公金横領の容疑で逮捕令状の発行を請求しました。
もっとも、請求を受けた裁判官は、決定を下す前から「あたしゃ、これには賛成じゃないけれどもね」などとマスコミに話しておりますので、どうやら見通しは暗いのではないかと。
・・・・・・と思っていたら、この裁判官(ビクトル・ウーゴ・エレーラ・リオス)、いきなり病気で入院しちゃったそうです(12日)。「過労でしょ」というのが最高裁的意見ですが、一般的な見方は「脅された、逃げた」というところ。代わりの裁判官が任命されています。13日中に決定を下さなければいけないわけですが。
ちなみに、この国、検察官や裁判官への脅迫、嫌がらせ、襲撃は決して珍しいことではありません。事件の重要証人が殺されてしまうことも、また多々あり。
なんにしても、我らがポーヨ君、汚職が発覚しそうになった時点で既にメキシコに高飛びしており、大統領在任時に汚職でかき集めたお金で、リッチな生活をしているという噂。グアテマラに残っていた妻と娘も、気がついたらしっかりメキシコに引き上げているし。
たとえ逮捕令状が発行され、メキシコの司法当局がポーヨ君の身柄を拘束してグアテマラ当局に渡したとして、裁判で本当に有罪判決が出るかどうかは、かなり怪しい感じがします。
今後の展開がどうなるか。グアテマラの司法に期待したいところなのですが。それともやっぱり、「神の正義」に頼らざるを得ないんでしょうかねえ。