内戦の影 ジェニファー II 

私がグアテマラに住むようになったのは94年の11月。その前の1年はエル・サルバドルに住んでいました。

 

エル・サルバドルでは92年に内戦が終結していましたが、グアテマラの内戦も終結に向かっており、政府とゲリラ間での和平交渉が続けられている時期ではありましたが、最初に住んだテクパンという町では、「山の中にはゲリラが潜んでいて、時々町までやってくるんだよ」なんて話もありました。

 

といっても、いきなりドンパチを始めるわけではなく、山から下りてくると、そこら辺にいる人たちを前に「我々の闘いは貧富の差、民族差別といったものを対象にしているのだー」とかいった演説を始めるのですね。で、終わると帰ってゆく。警察や軍の人たちさえやって来なければ、別にどうってことのない、のどかなもの・・・のようでした。

 

話は戻ります。私がジェニファーのことを知ったのは、まだエル・サルバドルにいた頃でした。先住民でゲリラである夫の顔写真を片手に、グアテマラシティーの中央広場でハンガーストライキを続ける、弁護士でもあるアメリカ人のジェニファー。怒るでもなく、嘆くでもなく、真実を求めてただ淡々とそこに「存在する」彼女。強烈な印象を残した写真でしたが、それがエル・サルバドルでも報道されていたのですね。

 

ジェニファーの夫、エフライン・バマカ・ベラスケス(Efraín Bámaca Velásquez)は、URNG(グアテマラ国民革命連合)の一派ORPA(武装人民組織、読みは「オルパ」)の一員でした。ORPAのトップはガスパール・イロム司令官ことロドリーゴ・アストゥリアス。バマカはこのガスパール・イロムに可愛がられ、やがて司令官となります。エベラルド司令官(Comandante Everardo)というのが、彼の呼び名でした。

 

エベラルドが消息を絶つのが92312日。この日、グアテマラ南部のレタルレウで初めての土地の偵察を行っていたところを政府軍に急襲され、行方知れずとなります。

 

消息を尋ねるジェニファーに、軍は「エベラルドは銃撃戦で死亡し、付近に埋められた」と説明しますが、一方、軍の施設から逃れたゲリラは「軍の秘密施設でエベラルドを見た」と証言。

 

大使館、ワシントン、国連。様々な機関の扉を叩きますが、事態はなかなか進展しません。そしてハンスト。

 

ジェニファーは、全部で3度のハンストを行っているのですが、9410月から行った32日間のハンストが、世間の耳目を集めることとなります。マスコミも大々的に取り上げるようになり、政府ももう無視し続けることはできず・・・。少しずつ、少しずつ、世間を味方に変えてきたジェニファーですが、それでも真実にはなかなかたどり着けなかったのでした。




[ 2006/07/16 16:31 ] できごととか | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://guatebuena.blog108.fc2.com/tb.php/159-7bf1276e