Paloma Herida (パロマ・エリーダ) 

Paloma Herida(パロマ・エリーダ、傷ついたパロマ)という映画を見ることができました。グアテマラを題材にしたもので、製作は1963年。モノクロ映画です。

 

舞台となるのはサン・アントニオ・パロポ。グアテマラを訪れたことのある方なら、多分この町をご存知ではないでしょうか。アティトラン湖の北側、山の斜面にへばりつくように位置しているインディヘナ(カクチケル族)の町で、パナハッチェルからランチャで15分ほどですか。桟橋から家々の間を通り抜けながら坂道を登っていくと、やがて教会に着きます。この教会から眺める湖の風景は本当に美しい。地味もあまり良くなく、決して豊かな町ではありませんが、印象に残る町ではあります。

 

さて、主人公のパロマちゃん(この人、全然インディヘナに見えませんね。髪も金髪だし・・・)は、この平和でのどかな町に生まれ、やがてエステバンと結婚・・・の予定でした。

 

そんなある日、町に突然ダニーロと銃を持った男たちやら女たちがやってきます。住民を集めたダニーロは「この町はわしのもんじゃ。住まわせてやるから、いう通りに働くように。こんな遅れた生活ではなく、文明をもたらしてやる」と宣言。そしてその日から、住民は農奴として重労働につかされます。仕事の合間にわずかの水を飲むことさえ満足にゆるされないまま、追い立てられるように働く日々。

 

ダニーロがパロマに目をつけていることもあり、エステバンは「妻であれば僕が守ってあげることもできるから」とパロマとこっそり結婚しようとしますが、これがダニーロに見つかってしまいます。ダニーロは「ワシが二人を結婚させてやるから心配は無用じゃ」と町をあげての結婚式を執り行うのですが、これは罠でエステバンは式の最中に殺されてしまいます。

 

ダニーロはパロマの父親も殺してパロマを自分のものにしてしまう・・・。

 

さて、その後に来るストーリーは映画の冒頭になるのですが、パロマは別の町でダニーロが女といちゃついているところに乗り込み、ピストルで復讐を果たす。

 

逮捕されたパロマはなかなか口を開こうともしないのですが、やがて獄中で子供を生み、それがきっかけで事件の真相を語り始めるのでした・・・・・・。

 

 

というストーリー。画面の白黒がなんといいましょうか、非常にコントラストの強い白黒なんですよねえ。白黒は白黒でもグレースケールの幅の広い白黒を見慣れているせいか、本当に白と黒しかない画面を見ていると何だか疲れる・・・・・・。でも、風景の美しさや当時の風習なんてものは良く伝わってきます。湖の美しさ・・・。これはやはりモノクロでは厳しいか。

 

それにしても、今まで考えたこともなかったのですが、グアテマラなんかに多々ある農園、農場っていうのは、きっとこんな風に始まったのでしょうね。人が平和に自分たちのやり方で住んでいるところに、ある日いきなり他人がやってきて「今日からここはオレのものだ」と宣言する。そして彼のしきたりを押し付け、従わないものには容赦ない罰を与える。

 

こんなシーンもありました。ダニーロは住民にわずかばかりの賃金を支払いますが、自分で開いた酒場に住民らを呼び集め、ジュークボックスで音楽を流し、連れて来た女たち(ダニーロの妻の女中さんたち)に踊らせます(なんと、ラ・クカラチャにあわせて踊るんですよ~。すごすぎ)。やがて住民らも踊りに加わり、自分の金で酒を飲むようになり・・・。こうして住民たちの間でも諍いが増えてゆきます。こうして「自称」地主は、より容易に住民を扱っていけるようになるのですね。

 

なんとも・・・。ストーリーそのものは単純な復讐劇ではあるのですが、その背景は今まで私が考えたこともなかったような内容で、なんとも重い気分になりました。

 

監督はメキシコ人のエミリオ・フェルナンデス。ですが監督よりも俳優としての方が有名な方のよう。この映画でもいかにも憎々しげなダニーロ役を務めています。DVDにもなっていないので、入手は不可能だと思いますが、何かの拍子に見かけることもあるかも・・・・・・なわけないか。




[ 2006/09/24 20:46 ] できごととか | TB(0) | CM(0)

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