「カラスを育てると」 

10月19日のEl Periódico紙に掲載されたルシア・エスコバルのコラム
グアテマラを代表する観光地であるアティトラン湖畔のパナハッチェルが
憂慮すべき状態であると訴える勇気ある告発でした。
ちょっとどぎつい内容ですが、全文を和訳したものを掲載します。



同じ場所が2年の間にこんなにも変貌してしまうものだろうか。
以前のパナハッチェルは夜中にふらつきまわっていても、野良犬に吼えられることさえなかった。
しかしそれも2009年12月6日の日曜日、大勢の観光客の目の前で、
群集が男性1人を殺し、3人の女性を焼き殺そうとした日から変わってしまった。
この事件は捜査されず、正義は行われなかった。
誰も話さず、その話題には触れようとしなかった。
犯罪を放置したことで、町は無秩序かつ無政府状態となり、
昨年、夜間のパトロールを行う治安委員会と呼ばれるものが誕生した。
覆面をし、手にはバットや棍棒を持ったパトロール隊である。
そして「カラスを育てるとカラスに目をえぐられる(飼い犬に手をかまれる)」ということわざの通りとなった。
このパトロール隊に対しては今日までのところ職権濫用、拷問、誘拐などで30件以上の被害届が出されている。


それだけではない。
殺人、社会粛清(暗殺)、超法規的処刑に係わったという声が聞こえている。
ピシカことルイス・ヒルベルト・ティアン・センテ(23)が失踪したことを告げるビラが電柱に貼られて2週間になる。
彼は4歳の男の子と、間もなく生まれる予定の赤ん坊の父親である。
20人ほどの覆面グループが彼に暴行を加え、道を引きずって行ったのを見たという証人が何人もいる。
血まみれの衣服と靴は川岸で発見されたが、遺体は見つかっていない。
私はフアン・マヌエル・ラロン、ビクトル・アンレウ、テレサ・コエーヨとパナハッチェルの治安委員会が、
一度ならず覆面グループの側に立ち、保護していることを告発する。
またパナハッチェル市長ヘラルド・イゲーロス、
ソロラ県知事エレーナ・ウフパン・ヨフコム、
内相カルロス・メノカルらの無関心と無視も殺人や拷問の共犯であることを告発する。


もし、次にこの世界で最も美しい湖の底に石をくくりつけられて横たわるのが私であったとしたら、
誰の手によるものかは火を見るよりも明らかであろう。


文中に出てくる2009年のリンチ事件については
パナハッチェル在住のエスコバル自身が記事を書いています。
市場で盗みを働いたとして男性が群集により殺害され、
捕らえられた女性3人は警察が隔離して移送しようとしたところ
群集に襲われてパトカーは焼かれ、警官らも負傷、
女性(内1人は妊婦であった)らは辛くもリンチを免れたという事件でした。


これはパナハッチェルで起こった事件でしたが、
似たような話は国内あちこちに存在しており、
昨日もグアテマラシティの郊外の町で盗みを働いたとされる2人組が
群集に捕らえられて暴行を受けたという話がありましたが、
その暴行してる後ろに交通警察がたむろしているのが見えるのですよね。
まあそりゃ交通警察は管轄じゃないにしても、ちょっとまずくないか・・・?なシーンでした。


犯罪や殺人事件が多発するグアテマラでは殺人事件すら解明されないことが多く、
ましてや盗難なんて現行犯じゃないと逮捕されることなんてあり得ない。
警察はアテにできないと思うからリンチが起こり、自警団が組織されるわけですが、
この自警団が今度は犯罪集団になっているというやるせない話。


なおこのコラム、オリジナル?はエスコバル自身のブログに掲載されています。


それ以上の事実関係については私は知る由もありませんが、
...y qué?という雑誌の今年8月号に
このパトロール団の違法行為を指摘したEl PAN y la limpieza socialという記事があります。


本文、コメント欄とも読んで圧倒されてう~ん・・・。言葉が出ない状態です。
夜も更けてきて考えがまとまらないので、とりあえず今日は書き逃げ。


[ 2011/10/23 01:29 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

雨の被害 

先週の日曜日から断続的に降り続いた雨は、
今日の未明から朝方にかけての激しい雨を最後に
どうやら一段落したような気配。


この辺りの雨はスコール型で、激しく降ってからっと上がることが多いのですが
今回の雨は断続的に降っては止み、降っては止み、また降っては止み・・・と
無限ループに陥ったかのような降り続き方。


雨季の末期で既に土壌も川も空気さえも水分たっぷりだったところに
そんな雨が降り続くとどうなるかは自明の理。
山肌はガラガラと崩れ落ち、川は水嵩を増して決壊する。
高地は土砂に埋まってドロドロになり、低地は泥水に浸ってドロドロになり、
そんなドロドロが国内の広範囲で起こったのが今年の水害の特徴でありました。


特に被害が大きかったのは南西部。
犯人は先週の日曜日に太平洋側からやってきたのが12-Eという熱帯低気圧で、
この低気圧が太平洋側から進入すると最初の山地と衝突して
低地と高地の間の斜面、ボカ・コスタと呼ばれる地域に大量の雨を降らせたわけです。


降水量マップの赤い地域が降水量(累積と書かれているけれどいつから?)の多い地域。
被害の大きい南西部のボカ・コスタが猿のお尻のようにまっかっか。
このボカ・コスタから太平洋の扇状地に流れる川は急流が多く、
雨が降ると一気に流水量も増加、岩やら石やらも転がしながら下流で決壊するわけです。


毎年のように繰り返される出来事なのにいつまでたっても予防ができないのは何故。
せめて川の浚渫工事やれば、もう少しマシになるんじゃないかとか思うんだけれど、
乾季が半年も続くお国柄、
降らない時にはそんなことしてどうするのよってのも、わからないじゃないけれど。


同様に国内の幹線道路は、毎日のように土砂崩れが起こっては発掘作業の繰り返し。
限りなくシシュフォスの神話に近い作業に人的資源と資金がわんさかとつぎ込まれており
こうして一国の資産は悪化していくのだな・・・と冷静にケーススタディやってる場合ではなくて。


こんな時にも先頭に立って陣頭指揮の出来ない大統領がいる国は不幸だよな、
とお隣エルサルバドルのフネス大統領を横目で羨ましく眺めながら思ったり。


ま、そんなこんなで、雨こそは治まったものの、
いろんなことが平常どおりに戻るまでには若干時間がかかりそうではあります。


[ 2011/10/20 00:04 ] 気象・災害 | TB(0) | CM(0)

結石 

15日、朝ごはんを食べていた時、急に腰の辺りが傷み、気分が悪くなってきた。
「あ、これは石かも」と思って水を飲み始めたのだけれど
ちょっと予想が甘かったようで。
午後は痛みと吐き気でぐったりする破目になってしまったのでありました。


昔、まだ日本にいた頃、一度だけ尿管結石をやったことがありまして、
「痛いだけで、石が出ればそれでオシマイ」と思っていたこともあって
あまり病院に行こうとは思わなかったんですが、
痛みが強くなってくると「あー、やっぱり行っとけば良かった?」と思いつつも
痛くて動けなかったり(笑)。


まあそれでも痛い場所が段々下に降りてきていたので
水を飲んで休んでれば何とかなるだろう!と思って水を飲んだわけですが
その後神経が刺激されて吐き気が強くなってくると
この水とか全部吐いちゃったんですよね。
多分私の人生で一日にこんなに大量に吐いたことはない!って断言できます(笑)
というか、自分の胃にはこんなに大量に水分があるのか、ってびっくりするくらいの量でした。
胃液も何もかもぜーーーんぶ吐いた後は、
胃が本当にすっからかんになって、吐き気はするのに空腹も感じるとか、
何だか不思議な感覚だったなぁ。


冷たい水を飲むと、胃壁に水が触れるのがはっきりと感じられて
「あ、この冷たさやばいかも」と思ったしばらく後には
やっぱり戻していたり(笑)。
その後は気をつけて口の中にしばらく置いてから飲み込むようにして
少しずつ慣らしていったわけですが、
痛みが少し和らぎ、吐き気が治まったのは結構深夜になってからでした。


そういう最悪の部分は土曜日の内に済ませることができたので
日曜日は少し痛みは残っていたもののほぼOK。
午後には外出もできるようになったのだけれど
ちょっと張り切りすぎたのかまた腰が痛い・・・。
でも今度は石が落ちてくるような感じとは違うので
水を飲んで体を休めていれば大丈夫かな。


よく結石は出産に匹敵するほど痛いっていいますが、
今回の私の石だったら出産の方がはるかに痛かったです。
ただ、吐き気がすごかった時の気分の悪さはこれまた最悪でしたが。


グアテマラは割とカルシウム過多になりやすい食生活なことに加えて
コーラみたいな炭酸飲料を大量に消費するお国柄なのが
結石を持っている人が多い理由だと聞いたことがあります。
食生活はやっぱり気をつけないと。


とあらためて思った週末でした。









[ 2011/10/16 21:40 ] できごととか | TB(0) | CM(0)

熱帯低気圧12-E 

日曜日くらいから普段よりも雨の多い日が続いていましたが、
そこへやってきたのが熱帯低気圧12-E。
熱帯暴風雨まで成長していたらケネスっていう名前がもらえたらしいんですが、
大きくなる前に上陸しちゃって成長が止まり、
12-Eっていう整理番号しかついてません。


しかしそんな12-Eがもたらした雨による被害が
グアテマラの西部及び太平洋岸を中心に出ています。
グアテマラシティはそれほどでもないのですが
幹線道路はあちこちで土砂崩れや崩落、更には橋が流されたりして寸断され、
川は増水や決壊で、浸水した町も多々。
昨日だけで亡くなられた方は10人超えています。


昨日の午後から雨は弱くなり、今日も曇り空ですが
気象庁はまだ雨が降ると言っているし、
雨が止んだ後でも、流域の広い川は増水する可能性があるので注意は必要。


雨の少ない雨季は末期にどばっと降って被害を出すことが多いのですが
今年もどうやらそんな年だったようで。


早く乾季にならないかな。ふぅ。



[ 2011/10/13 07:25 ] 気象・災害 | TB(0) | CM(0)

住民10万人当たり殺人発生件数 

とある統計を探していたら、「住民10万人当たりの殺人発生件数」なるものが目についたので、
ラテンアメリカ・カリブ地域の分を抜き出してきました(笑)。
国連薬物犯罪事務所が2010年に発表した2008年の統計です。
見やすいように?発生件数多いものから順に並べてみるとこんな感じ。

No.国   名件数
1 ホンジュラス 60.9
2 ジャマイカ 59.5
3 ベネズエラ 52.0
4 エルサルバドル 51.8
5 グアテマラ 45.2
6 トリニダード・トバゴ 39.7
7 コロンビア 38.8
8 セントクリストファー・ネイビス 35.2
9 ベリーズ 34.3
10 ブラジル 22.0
11 ドミニカ共和国 21.5
12 ガイアナ 20.7
13 エクアドル 18.1
14 サンタ・ルシア 16.0
15 バハマ 13.7
スリナム 13.7
17 パナマ 13.3
18 ニカラグア 13.0
19 パラグアイ 12.2
20 メキシコ 11.6
21 ボリビア 10.6
22 バルバドス 8.7
23 コスタリカ 8.3
24 チリ 8.1
25 ウルグアイ 5.8
26 アルゼンチン 5.2
27 ペルー 3.2

もう少し最近のデータだと中米とメキシコは増加してるでしょうね・・・。
その他の国のことは良くわかりませんが。
ちなみにこの件数、日本は0.5になっています。


ホンジュラスの人口を800万人として計算してみると、年間の被害者は4,872人。
毎月400人が殺されている計算になります。う~ん。
これを日本の人口に置き換えてみるともっととんでもない数字が出てきた。
ちょっと考えたくないような数字だったのでここには書きません。
ついでにカリブ諸国の殺人発生率が案外高いのにもちょっとびっくりです。


ちなみに・・・。
この統計を世界で眺めてみた時にも上位7カ国は変化なし。
8位にレソトが、9位に南アフリカが入って、10位がセントクリストファー・ネイビス。


この辺りってやっぱり殺戮地帯だったのか・・・。
なんてことをあらためて確認してみたところで何のためにもならないのだけれど(タメイキ)。



[ 2011/10/05 23:34 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

夜逃げする住民たち 

パンディーヤ(Pandilla)とかマラ(Mara)とか呼ばれる若者主体のギャング集団が
首都圏を始めとする都市部で活動、住民を脅かしている・・・ってのは
以前から何度か書いてきた話でありました。


ひと頃続いたバス運転手殺しはここに来て少し減少していると思いますが
(それは多分バス周囲の安全対策が強化された結果かな)
じゃあバスで稼げなくなったと思われるパンディーヤはどこへ行くのか?
ってのは気になるところです。
最近は交差点で停車中の車が強盗に襲われるって話も増えてきているような気がするし、
家を出たら周囲は皆強盗と思え!とばかりに強迫神経症になってもおかしくないかも(笑)


我が家の付近は幸いパンディーヤの活動エリアではないのですが、
そういうところでは毎月「襲われないために支払うお金」なんてのがあったりします。


例えばこんな感じ。
家に封筒が届きます。
中には「Q5,000支払え」というメッセージと共に
家族全員の名前と何時にどこに行くかとかが書かれたリストが入っているんだとか。
こういうのが付近の家全部に届くわけです。


グアテマラの最低賃金は月額Q2,161。
それの2倍以上の金額だから払えない人もいるわけです。
でもこれを支払わなかった女性が子供と一緒に殺される事件があり
皆怖気づいてしまって、警察に届けるなんてとんでもない、と。


そのため、最近は夜逃げ同然に家を捨てて行く人たちもある模様。
12区にあるLa Reformitaって、最近まではそういう話のない場所だったし、
7区や11区のようにコロニーが閉鎖されて警備員がいるわけでもなくて、
えっ!という感じなのですが・・・。


この傾向はグアテマラ市南部(12区)、ビジャヌエバ、
ビジャカナレス、サンミゲル・ペタパで増えてきているとか。
確かに12区の一部やビジャヌエバは以前からパンディーヤの活動区域ではあったのですが、
それが広がってきているのが嫌な感じ。


家を逃げ出した人たちは今頃どこで何をしているのだろう・・・。
本当に嫌なご時勢です。


Prensa Libre - Pandilleros exigen extorsión a vecinos


[ 2011/10/04 23:57 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

道路補修もDIY 

9月以降だらだらだらだらだらだらと雨が降り続く日が多く、
下旬になってあちらこちらの川が決壊しそうだとか決壊したとか
道路が川になったとか町が湖になったとか
土砂崩れが起きたとか道が崩れたとかとかとか、
今年はハリケーンも熱帯暴風雨も一つも来ていない割には
結構な被害が出ているように思います。


もちろん。幹線道路が無事で済むはずもなく。
山がちなグアテマラのことですから
小規模な崖の崩落は毎日あちらこちらで起こっており、
パンアメリカンハイウェイも土砂崩れで不通になったりしています。
国際道路ですらそんな状態なんだから、後は推して知るべし。
路上に積もった土砂や岩を取り除くのが精一杯で、
道路の路肩が崩れても、大穴が開いても、すべてを修理することなんて無理。


無理というか、そう言えば昨年5月に熱帯暴風雨のアガサがやって来た時に流された橋も
いまだ流されたままになっていたり、仮設橋のままになっていたりするんだから、
道路の舗装の状態が悪いなんてのは大した問題じゃないのかも。
ま、道路がガタガタの方が交通事故は減りそうだしね・・・・・・。


コスタスールの道路は何年も前から工事中で、
工事が進まない部分はどんどんガタガタになって行く。
そんなわけで数ヶ月前から穴になってる部分を埋めてはお金を稼ぐ、
そんな新手の物乞いさんたちもいたけれど、今回のはもうちょっと本格的。


昨年のアガサの被害でどしゃどしゃっと崩れたりしたのがそのまま放置されているベラパス方面。
それに業を煮やした地元の運送業者が、道路の補修を始めたとか。
業者や運転手が自腹を切ってお金を出し合って重機をゲット、
道路のメンテナンスをやっているのだそうで、ちょっとすごいです。
でももちろん、道路が通れないために時間がかかったり、
穴にはまって車が傷んだりすることを思えば、
多少の身銭を切ってでも道路を補修した方が、
いろんな意味でプラスになりそうであるのもまた事実。


それにしても。
政府も某コロニーの人たちだけしか得しないような立体交差を作ってる暇があったら
こういうところの道のメンテをちゃんとしろよ!
と思わざるをえない話ではあります。


Prensa Libre - Transportistas reparan tramo carretero en pésimo estado


[ 2011/10/03 22:58 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

アルホナの新曲 - Fuiste Tu 

グアテマラを代表する歌手のリカルド・アルホナの新曲「Fuiste Tu(フイステ・トゥ)」は
若手のガビー・モレノとのデュオ。
アルホナの新曲と言うにはガビーの割合がお高めで、
ガビー好きの私としては超満足な内容。

秋の夜長にぴったりなシンプルなバラード、是非聞いて下さいね♪




[ 2011/10/01 23:09 ] monjablancaのお気に入り | TB(0) | CM(0)