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映画「アポカリプト」 

ハリケーン・ディーンがドミニカ、ハイチ辺りを通過してジャマイカを直撃。風速240km/時って新幹線並み。各地で大被害をもたらしながらユカタン半島を通過してアメリカへ到達すると見られています。現在はカテゴリー4ですが、この後最大のカテゴリー5にまで成長するものと見られ・・・・・・。ハリケーン、地震、洪水・・・・・・。天災の前には人間の叡智もまだまだ及ばない。大きな被害が出ないことを祈るのみです。


数週間前になるのですが、アポカリプト(Apocalypto)という映画をDVDで見ました。メル・ギブソン監督による、マヤを描いた冒険映画。舞台はユカタン半島で、出てくる人物もマヤ系先住民(主人公なんかはアメリカ・インディアンだったりする。顔立ちの違いは明らか)、しゃべる言葉もマヤ言語の一つユカテコ。ふむふむ、私が比較的よく耳にする機会のあるマヤ言語(カクチケル、ツトゥヒル)とは全然雰囲気違いますね。


この映画、当地でも公開されていますが、アメリカで先行上映されていた頃から、「マヤのことを全然わかっていない」「時代考証がメチャクチャ」「皆既日食の日に満月かよ~」などと結構な批判がマヤ系先住民を中心に当地でも沸き起こっていました。


ギブソン的には「ポポル・ブー(マヤ系キチェー族の伝承)をベースにした冒険アクション」なんだそうですが、時代設定はスペイン人が新大陸にやってくる直前。


という設定時代にムリがあるんだろうと思うんですが・・・・・・。なぜなら、ユカタン半島に大きな神殿をいくつもこさえたマヤ人たちってのは、スペイン人が来る前にいなくなっていた。映画にはティカルと見られる都市が出てきますが、ティカルなんかもその頃は誰も住まなくなって数百年経っていたはず。


その頃のマヤ人たちと現在のマヤ人たちの関係って、実は私、よくわかっていないのですが、とにかく、スペイン人たちがやって来た頃のマヤの町というのは、規模の小さなものばかりではありました。


それ以外にもマヤ系住民から多々の非難・不満の声。「人種差別!」といういささか感情的なものもありますが、「マヤは狩猟民族じゃなくて農耕民族だよ」、「平和的なマヤと残虐なアステカを混同してるっしょ」という指摘も。マヤとアステカ、似てる部分も多いのですが、非なるものであります。


まあ、そういうもろもろの「ここがデタラメ」的な指摘はWikipedia(英語のサイトだと写真もちょっとある、リンク先は日本語)とかこのサイト(「この映画を日本に置き換えてみたら・・・」ってところには大笑い)にゆずることに致しまして。


この映画、史実じゃなくて、なんちゃってマヤ世界を背景にしただけのアクション映画だと思えばいいんだろうな。マヤでなくても良かったんだけれど、密林の中で大きな町築いていた民族って言えば、やっぱりマヤか。みたいな。映像はきれいだし、主人公のジャガーの爪君は格好いい。メッセージ性は皆無。


ん~、メッセージはあるのかもしれない。ここから先、結末のネタバレになりますが、何とか敵の手を逃れてきたジャガーの爪君とまだしぶとく追いかける追っ手が海岸にやって来るとそこに見えたのはスペイン人の船。「残虐で野蛮なマヤはキリスト教によって教化され、正しい道(?)を歩むことになる」という大きなお世話なメッセージ。


キリスト教の人たち(って私もそうか)にありがちな、物事すべてにキリスト教的価値観を当てはめてしまう視野の狭さ。現在のイスラム世界との対立も、こんなところに根っこはあるんだと思いますけれどもね。



[ 2007/08/20 01:17 ] マヤ | TB(0) | CM(2)