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恐怖と曖昧さと沈黙と半分の真実の狭間で (2) 

当局側と住民の間にある溝は深い・・・と見えて
実はくっきりとした線引きがなかったりすることも。
というか実情はもっと混沌としたもののようです。


アルセの記事の続きです。




III. 地元自治体の苦悩と麻薬組織

会合の後、共同体の代表らはカフェ・マヤで昼食を取ることにした。
ポップ市長もこれに加わった。


市長の車にはカルロス・ムクとドミンゴ・チョクも同乗している。
3人は友人であり、スポークスマンであり、ネゴシエーターであり、
軍人時代の同僚であり、必要があればお互いに手助けをする関係である。


食堂のテーブルでは市が直面する問題についてもっと切実に話し合った。
サヤスチェ市でインディヘナとして初の市長となったロドリゴ・ポップは、
自身を「社会運動の一部」と呼ぶ。
ポップ自身も故郷を離れてここに住み着いた人物であり、
現在はCondeg(グアテマラ国内難民連絡調整会)の執行部のメンバーでもある。
サヤスチェの住民の41%はアルタ・ベラパスから追われて来た人々である。


テーブルにはCondegのコーディネーターであるサントス・チクもいた。
チクはキチェ出身であるが、やはり故郷を捨ててここに住み着いた。
チクは家族全員を失った後、EGP(貧民ゲリラ軍)に加わった経験を持つ。


チクは覚えていることを話してくれた。
「サン・ロマンの辺りに最初に住み着いたのは避難民だった。
 1991年に強制立ち退きが開始されたので、住民らは抵抗した。
 グアテマラシティで23日間に及ぶ抗議運動をした結果、土地を手に入れた。
 しかし、開発プロジェクトも能力養成もなかった上、
 土地を買おうとする人物が現れた。
 農民は土地をQ5,000で買ったが、Q50,000で買うと言うのだ」。


それから20年が経った現在、当時買われた土地の中には価値が10倍にもなったところもある。
パーム油の国際価格が上昇すると共に、
グアテマラで精製されるパーム油の輸出量も倍増していく。


そして予想通りのセリフが続く。
「政府は和平合意に定められた農地改革の実行に関心を持っていない。
 農民はいつまで経っても損をし続け、
 今では国際企業が土地を奪おうとしている。
 土地を売らなければ彼らの農場に取り囲まれ、
 重機や警備員に脅かされる毎日を送っている」。


チクは、カルロス・ムク、ドミンゴ・チョクも脅迫を受けていると話す。
「黙っていた方が身のためだ」
「ここには組織はいらない。面と向かって話すだけだ」
友人らは彼の言葉に黙って頷く。


「市長、会合で誰もアブラヤシについて話さなかったのはどうしてですか?」
「私は農民だしインディヘナだし、やっぱりアブラヤシに囲まれている。
 しかし、私は土地を売らなかったからと言って、嫌がらせをされているわけではない。
 彼らだけに責任があるわけではない。土地を売ってはいけないんだ」と弁護する。


「昔、プエブラ-パナマ計画が出てきた頃、
 ここにはダムが作られて土地は湖の底になる、価値がなくなるから売るべきだと言う人達がいた。
 農民はその言葉を信じて土地を売ってしまった。
 止めることができなかった、ここの人達は騙されたんだ」。


「グアテマラで貧乏人の土地をこれ以上買うなと企業に言えるのはどこの役所でしょうか」
と尋ねようとしたが、口をはさむ以前に次の言葉が続いた。
「彼らは土地を買い、重機を入れると溝を掘って水はそこに溜まるようにした。
 土地が干上がり、作物を作れなくなると農民は土地を売ってしまう」。


土地の入手方法については以前から噂のみならず告発も行われている。
市長は
「農場の土地の30%は圧力によって売却されたものだ」
とまで指摘している。


「つまり?」
「選択的農場購入。
 まず農場を一つ買う。次いでもう一つ、それからもう一つ。
 こうして4つ目は隔離され、アブラヤシの中に取り残され、
 農作には不向きな土地となる。
 彼らはどこをどうやって塞ぐかを選んでいる」。


誰もこれ以上は口を出そうとしない。
実際にそういう目にあった人を教えてほしいと粘ったがダメであった。


当紙はアブラヤシ生産業組合(Grepalma)の最高責任者スサナ・シエカビッサに
この点についてインタビューを試みた。
シエカビッサは事前にメールで質問を送るようにと連絡してきたが、
最終的にはインタビューにも応じなければ質問への回答も貰えなかった。


昼食に話を戻そう。


市長は常に2人の人物を従えている。
2人は体格もよく、武装した若者で、レストランの入り口を見張り、
どこに座るかを指示する。
ガードマンがいるにも関わらず、皆声を落として会話し、
常に周りのテーブルを気にしている。
ここは不信の地である。


「私には身の危険があるんだ。」
「どういうことです?」
「ここで働く者は誰でもリスクを負っている。
 自治体の権力の不在に慣れてしまったものだから、
 別の人間がやって来て、命令することを快く思わない。
 働かずに金を稼ぎたいと思っている奴らばかりだ」。


ポップが言っているのは前市長時の市職員、
つまりこのインタビューの直前に解雇された人達である。
ポップが市民活動家であった頃や選挙活動中に訴えていたような
共同体に対する圧力や脅迫について話したがらないのは明らかであった。
タバコを吸うかのように口に指を当てる仕草を何度もした。


麻薬組織について話すのは何も市長や自然保護担当当局だけではない。
オフレコながら、同地に駐留する軍人も同じような指摘をしている。


共同体の中に入っていくと、まず最新型のバイクが何台も通っていき、
きれいに色塗られた家が現れ、
軍人が通るのを見た若者らがさっと電話を取り上げる。
農作業をしたりアブラヤシの農場で働くよりも滑走路を造る方が5倍の稼ぎになるのだという。


市長らにこのことを聞いてみた。
ポップもチョクもムクも、何も聞いたことがないという。
話したくないのだ。


ポップは15年以上、土地の権利のために活動を続けてきた。
4度市長選に出馬した。
土地問題について話し合うために軍の施設を利用していることで疑問視されていることについても触れた。
「国軍は対話のファシリテーターに過ぎない。
 問題解決のためには市だけではなく、様々な機関の力が必要だ。
 様々な機関が、一つの方向を目指して進んでいく必要がある」。


現在のポップ戦略は社会変革である。
政府機関の力を一旦集結させ、その後共同体へ移管する。
「市長への支援を集めて、市長に好意的なグループを共同体で作りたい」、
ムクとチョクはそう言う。





[ 2012/10/22 06:00 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

恐怖と曖昧さと沈黙と半分の真実の狭間で (1) 

時々このブログでも取り上げているPlaza Públicaの
アルベルト・アルセも、サヤスチェを訪れた記事を書いています。


アルセは今年の1月にサヤスチェを訪れていますが、
2月からAP通信社でホンジュラスを担当するようになったためグアテマラを離れており、
この記事はアルセが書いたものをアレハンドラ・グティエレスが仕上げたと注釈が入っていますが、
アルセの署名入り記事で、6月12日にPlaza Públicaに掲載されています。


タイトルはSayaxché ambigüedad y medias verdades
訳すれば「サヤスチェ、曖昧さと半分の真実」、かなぁ・・・。


相変わらず文学的な表現があったりやたらと長かったりするので思いっきり端折ります。




I. 試験下の労働条件

アルセが訪れたのはサヤスチェのアロヨ・サンタ・マリアという共同体の跡。
ここにはかつてアルタ・ベラパスから逃れてきたケクチ族の35世帯が住んでいたが、
皆少しずつアブラヤシ農場に土地を売り、最後には誰もいなくなってしまった。
現在は倉庫として使われている建物は当時小学校だったもので、
中には湿気を帯びた当時の教科書などが残されていた。
2006年12月の指導書があったところを見ると、
2007年まではこの学校で授業が行われていたらしい。


この共同体から数キロ離れたところでNAISAの労働者らが家に帰るためにバスを待っていた。
「皆同じ仕事なのに給料が違うんだ」。
1人はQ1,046、もう1人はQ1,022、別の1人はQ946。
最低賃金をわずかながら上回ったり下回ったりする額である。
しかし、バイクに乗ったスーパーバイザーの姿が見えると共に皆押し黙ってしまった。


2011年初めにActionAidという国際NGOが出した報告書には
REPSA、Tikindustrias、NAISAの3社は労働者の権利を守っていないとして
サヤスチェ市のラ・セイバ地域の18の共同体の代表らが労働省へ告発を行ったことが記されている。
労働省はその告発について結論を出していないが、
同地域のアブラヤシ栽培を行う企業の調査を実施している。


労働省のペテン県事務所の担当官は
会社は労働者と労働契約を交わしていないこと、
会社が労働者らの賃金台帳を有していないこと、と言った違反があったと説明した。
またパルマ・デ・イシュカン社については担当官の立ち入りを認めさえしなかった。


フェリペ(24)はREPSAが所有するエル・ミラドール農場で働いている。
彼の仕事は農薬の散布だ。
クレラットという名前の物質を株の周りにまく(注:クレラットは殺鼠剤)。
「朝4時半に家を出て、5時か6時頃から3時まで働き通し。
 休日は週に1日だけ。祝日は関係ない。時には日曜日もないこともある」。


Grepalma(椰子生産者組合)は1万人の直接雇用があると言っているが、
労働省ではアブラヤシ部門の雇用契約は登録されていないと言っている。


フェリペは出来高払いで給料を得ている。
農薬散布一株当たりQ0.40である。
この日は80株くらいできたと言っていたが、それならQ35である。
日によってはQ80になる日もあればQ30の日もある。
最低賃金のQ63まで達する日はそう多くはない。
しかも素手で1日15キンタル(約675kg)の農薬をまくのである。


アルフレッド(47)は木の棒を持って泥の中を歩き、
落ちている実を一つずつ拾って袋の中に入れるのが仕事である。
彼は時間外手当を受け取ったことがないという。


他にも2人1組で木を切り倒している労働者もいた。
ブラジル製の重たい金属の棒を使う。
椰子を2度叩くと根っこが持ち上がるので
もう1度叩いてから根っこに棒を差し込んで持ち上げ、荷車まで運ぶ。
体力を使う厳しい仕事であるが、やはり出来高払いである。


マルティン(24)は収穫期に農場に住み込み
3週間休みなく働いて、数日間の休暇を貰っている。
1日に240株を切り倒すと言っているが、実際のところこの数字は不可能であろう。


労働者はケクチ語を話し、スペイン語が話せるものはわずかである。
彼らとの会話は困難なだけではなく、
給料や労働条件については誰も話したがらない。


II. 軍事基地での保護地域への不法侵入に関する交渉

エル・スビン北部特別軍事基地に行くためにはラ・パシオン川を渡らなければならない。
見張りをしているカイビル隊の兵士2人は見慣れない人物が近づいてくるとふっと姿を消す。


エル・スビン基地ではエル・ポソ・サン・ロマン自然保護地域の
自然破壊について話し合うための会合が開かれた。
出席者はサヤスチェ市長、自然保護審議会(Conap)地域事務所所長、警察、国軍と
ラ・セイバ地区の18共同体の農民らの代表である。


Conapは共同体の人々が自然保護地域に侵入し、
木を伐採して木材を売ったりトウモロコシの栽培をしている上、
違法行為として警察が逮捕しようとすると、住民らが逆に警官を捕らえてしまうと指摘する。


サヤスチェ市長のロドリゴ・ポップの主張はConapに近い。
住民は警官を捕らえるべきではないし、
伐採もやめるべきだと言う。


話し合いは何時間にも及ぶ。
農民らはケクチ語しか話さない。
共同体のリーダーであるカルロス・ムクとドミンゴ・チョクが通訳をする。
住民らはアブラヤシ企業が労働者の権利を侵害していると訴えている。


彼らの主張はシンプルである。
「今頃になって自然破壊だなどと言い出すのはどうしてだ。
 10年前にはサン・ロマンのことなど誰も気にしなかったではないか。
 あそこに最初に入り込んで家畜を飼い始めたのは金持ちだ。
 私達には食べ物がない。でも生き延びなければいけないんだ」。
彼らは土地を与えてくれるよう政府と話がしたいと主張する。


ポップ市長は「農民は自分の土地を売るべきではなかった」と言い
Conapのロルマン・エルナンデスは
「自然保護地域は土地問題を解決するためのものではない」と言う。
「かつて土地を受け取った農民らの多くが、その足で土地を売りに行ったではないか」と。


話し合いの後でもう少し詳しい話をオフレコで聞いた。
エルナンデスは農民らの被害者意識にうんざりしている。
「不法に土地を占拠する農民らはアブラヤシ企業や麻薬取引組織の先鋒として利用されている。
 可哀想な農民らがピックアップトラックに乗り、
 電気もあって、道を作るための重機や建設機械まで持っていたりする」。


会合は終わったが、怒りを隠そうとしない人も多かった。
農民らは内戦時代のことがあるので、軍事基地に入ることに恐怖を感じている。
「どうして基地に集まらないといけないんだ?
 80年代に基地に呼ばれた人は、二度とそこから出てこなかったじゃないか」。





[ 2012/10/19 06:00 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

繁栄するアブラヤシと蔑まれる先住民 

メキシコ生まれで現在はキューバを本拠にしているらしいオヤンタイ・イツァムナという記者さん(多分)が
先住民問題などを中心に扱っているペルーのSERVINDIというメディア
今年6月、サヤスチェのNAISAで農夫として働く男性にインタビューした記事を
まずは取り上げてみたいと思います。


サヤスチェにはNAISA (Nacional Agro Industrial:全国農産業株式会社)の他、
REPSA (Reforestadora de Palmas del Petén:ペテン椰子植林株式会社)、
Tikindustrias(ティキインダストリー株式会社)、
Palmas del Ixcán(イシュカン椰子株式会社)という4つの企業が
アブラヤシ農園の経営とパーム油やバイオディーゼルの生産を行っている模様。


記事のタイトルは
「Guatemala: La prosperidad de la palma africana y la degradación del indígena como en el s. XVI (グアテマラ:繁栄するアブラヤシと16世紀同様に蔑まれる先住民)」



イツァムナ氏はまず、グアテマラのパーム油の恐るべき生産効率に触れます。
パーム油の生産効率はヘクタール当たりの生産量で計るらしいのですが、
世界の平均がヘクタール当たり3.2トンなのに対し、グアテマラは5トンとか。
1.5倍以上の生産効率!!!


もっともこれはアブラヤシの栽培面積が急激に増えていることと無関係ではない模様。
なんと言っても2003年には31,000ヘクタールだったのが
2010年には90,000ヘクタールと約3倍という急成長産業。
年間1250億ドルの外貨を稼ぎ、
17,000人の雇用を、しかも仕事のない地方に創出しているスグレモノ産業。


という一面は確かにあるわけですが。
他方、
アブラヤシの栽培されている土地はインディヘナや農民から奪われたものであり
アブラヤシのプランテーションのために水源は枯れ、
生態系は破壊され、生物の多様性は姿を消してしまったのであります。
その土地が以前のような豊かな土地へ再生するためには4世紀という時間が必要だとか。


ミゲル・デ・アヒアというフランシスコ会の神父は
1563年に宣教師としてグアテマラを訪れ、数年間をグアテマラで過ごした後、
ペルーへ移ったようですが、そのデ・アヒアが17世書き残した記録には
その頃のグアテマラの様子が記録されています。


当時、毎週日曜日には成年に達した先住民が広場に集められ、
グループに分けられて様々な農場へ労働のために送られていました。
一ヶ月につき一週間(月曜日から土曜日まで)はこの労役につくことになっており、
それにより報酬を得て、その中から税金を納めることになっていたのですが、
行きと帰りに1日ずつかかる上、日曜日は教会へ行くことになっていたので
実質4日間の労働で、4レアルの収入を得、
そこから税として1レアルを支払わなければならなかったのです。


当時の物価では1レアルで鶏半匹程度が買えたそうですが、
賃金の支払いが遅れるだけならまだしも、
約束の額が支払われないということも多く、
病気になったり、監督に反抗した労働者は1銭も受け取れなかったのでありました。


更には、現金ではなく香辛料で支払われたり、
あるいは受け取った現金で彼らにとっては不必要な物を買わせるという行為も横行。
靴を履いてない人に絹のストッキング買わせてどうするんだ。。。


精神的、物質的な搾取や嫌がらせが続くものですから
やがて先住民は山の中へ逃げて行ったのですが、
信仰心篤い宣教師らが彼らの魂の行方を憂いて先住民を連れ戻したのでありました。。。


こうして先住民は死なない程度に生かされ、
土地を奪われた上に労働力を搾取され、わずかな稼ぎすら奪われていったのでした。
先住民の労働力こそが植民地経済を動かす歯車だったのであります。


時は流れて21世紀。


以下、NAISAで働くビセンテ・サキクに
通訳を通じて行われたインタビューとなります。



-名前と、どこでどんな仕事をしているのかを教えて下さい。

サヤスチェ市セモシャン村のビセンテ・サキク・コチュ、35歳で6人の子供がいます。
NAISAで農夫として働いています。
マチェテで雑草を刈り、一株当たり(およそ4平方メートル)Q0.50の収入を得ています。
半月で大体Q650の収入になります。
一日当たり、Q50稼げる日もありますが、頭を上げることもなく必死に働かないといけません。


カポラル(監督)は自分たちを休ませてくれません。
朝6時から午後2時まで、休む暇なしです。
カポラルの命じる仕事を終えられなければ、一日分の賃金が貰えません。
一日の仕事は150株から180株分ですが、カポラルの気分次第です。
その日の分を終えられなければ、賃金から差し引かれます。


病気になったり、作業中に怪我をしたら、家に帰されます。
薬をくれるわけではないし、仕事に出たともカウントされません。


この賃金では十分ではありませんが、他に仕事もありません。
私は6人の子供を養わないといけないのです。
賃金の引き上げやバスでの送迎、医薬品を求めて、もう3回も組合でストをしました。
今はトラックで通っていますが、まるで家畜のようです。
あまりに疲れていると、トラックを逃すこともあります。


-家を出るのは何時ですか?労働者は何人くらいいるんでしょうか?

トラックは朝4時にピックアップに来ます。
もっと遠くに住んでいると、2時とか3時だったりします。
NAISAの労働者は大体2000人くらいです。


仕事に使う道具と昼食は皆持参です。
会社では食べ物は支給されません。
休憩時間もありません。
作業時間が終わった後にトルティーヤとフリホールを食べ、
その後また2~3時間かけて帰宅します。
家に着いたら、薪を集めたりトウモロコシを刈り取ったり、できることをします。


毎日畑で働いています。
トウモロコシとフリホールを蒔く時期には1,2日休みを貰ったり、日曜日を使ったりします。


-会社のオーナーが誰かとか、アブラヤシで何を作ってるか、どこで売っているかを知っていますか?

オーナーが誰かは知りません。カポラルなら知っています。
一度だけフローレスで集会があった時にオーナーを見たことがあるだけです。
でもどんな人かは知らないし、何のために栽培しているのか、どこで売っているのかも知りません。
働かないといけないから働いているだけです。


私達が確実に知っていることと言えば、この土地は以前は祖父母のもので
トウモロコシとフリホールが栽培されていました。
今ではアブラヤシだけです。
私達は暗い、光のないところにいて、アブラヤシがどこへ行くのか、何の役に立つのかもしりません。


-あなた方の祖先と同様に、自分達の土地で搾取されていることをどう思われますか?

殺されているような気分です。
昔、私達の祖先は農場で、オーナーの命令で働いていました。
今も同じか、あの頃よりひどいです。
私はまだトウモロコシを育てることのできる土地を持っているので助かりますが。


会社が持っている巨大な土地は、農民自身が農場主に売却したものです。
土地を売った人たちは皆農夫として働き、トウモロコシやフリホールを買っています。


-カポラルは誰ですか?どこの人ですか?

カポラルは私達の共同体の人間です。
私達の近所の人間です。
勉強をして私達よりも少しばかりスペイン語が話せるので、雇用されたのです。


カポラルは労働者にその日の作業を指示します。
時には自分勝手に決まりを定め、横柄で、旦那の指示を超えた作業を私達にさせたりします。


スーパーバイザーはコバンから来ます。
カポラルは40~50人くらいで、カポラル1人当たり40人の農夫を監督します。
カポラルの上にはスーパーバイザーがいます。


-こういう生活環境の中で、子供たちには何を期待しますか?

日毎に人は土地を失い、会社は土地を得ています。


この会社は私達をこの県から追い出そうとしていることに気がつきました。
会社がこの県の持ち主みたいなものだからです。
ペテン県のもう半分くらいの土地を取得したという話です。
わずかに残されたミルパ(トウモロコシ畑)はアブラヤシに取り囲まれています。
サヤスチェは、町のほとんどすべての土地が買われてしまいました。
別の金持ちである牧畜家も、私達の土地を横取りしようとしています。
本当に迷惑なことです。
どうやって生きていったらいいのかわかりません。
私たちには戦って前進する以外に方法がありません。
法律は私たちにも権利があると言っていますが、ここでは私達には権利がありません。


私達の子供にも未来はありません。
唯一できるのは勉強させることです。
子供たちは成長しています。10年後のことはわかりません。
まだ生きていたら見ることができるでしょう。そうじゃなければ、神のみぞ知る、です。


[ 2012/10/17 06:00 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

サヤスチェ 

アルタ・ベラパス県北部の山中に源流のあるラ・パシオン川は
ペテン県でゆったりと蛇行しながら流れていきます。
この川のほとりにはかつて多くのマヤの都市が栄え、そして滅んでいったのですが、
その都市の跡を縫うようにゆったりと流れ、
やがてサリーナス川と合流してウスマシンタ川へと流れ込みます。


サヤスチェはこのラ・パシオン川沿いにある町で、人口は約6万人。
19世紀頃にケクチ族の住民が他の町から移住、段々大きくなったのだそうですが、
内戦時には自分たちの住んでいた土地から逃げてここに住みついた人も多数いるそうです。


サヤスチェのことをちょっと検索していて出てきたのが
去年、パシオン川をフェリーで渡っていた食用油を積んだタンクローリーが川に落ちた!というニュースで、
折角なのでここにリンクを貼っておきます。
こんな感じ。


重量オーバーだったようですが、普通なら満載してても大丈夫なはずなんですけれどもね。
何といっても普段はこんな感じ・・・。


これをフェリーと呼んでいいのか、というのは非常に気になる点ではありますが、
今回はそれがポイントってわけではないのでちょっと置いておいて。


川に落ちたタンクローリーが積んでいたのは記事中「食用油」と書かれていますが
これは多分パーム油だったのだと思われます。
サヤスチェにはアブラヤシの農場が4つもあり、栽培面積では国内最大級。


ここで本来ならグアテマラ椰子生産者組合(GREPALMA: Gremial de Palmicultores de Guatemala)のデータを参考にしたいところなのですが、
GREPALMAのサイトにアクセスできないので
どんなデータが存在しているのかも把握できないのですが、
昨年8月のRevista Summaから少しデータを拾ってみました


  • 栽培面積:2005年の57千ヘクタールから2011年には90千ヘクタールへ
  • 2018年には110千ヘクタールの栽培面積となる見込み
  • 直接雇用は17,000人、間接雇用は40,000人
  • パーム原油の生産量は17万トン。内30%が国内消費、残りはメキシコや中米諸国などへ輸出


一方で土地がないと言っている農民がいるのに、
アブラヤシの農場はものすごい勢いで増えているのか・・・。


次回からはそのサヤスチェのアブラヤシ農場の話になる予定です。


[ 2012/10/15 06:00 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

「警官か犯罪者か」 

警察の汚職の話のついでと言ってはなんですが、
8月29日のエル・ペリオディコ紙に掲載された
ディナ・フェルナンデスのコラムを引用してみたいと思います。
タイトルは「警官か犯罪者か?」。



グアテマラの薄暗い袋小路にいる時に、
犯罪者グループに会うよりも恐ろしいものと言ったら何だろう?


答えは簡単。警官のグループに出くわすこと。
特に13番署の警官だったら最低。
この警察署には既に殺人などの凶悪犯罪で告訴されている警官がいる。



あの~、13番署ってウチの付近の所轄署なんですが。。。


グアテマラではパトロールをしているパトカーや
徒歩でパトロールをしている銃を担いだ軍人と警官のグループなどが
あちらこちらでウロウロしているわけなのですが、
あれは実はパトロールじゃなくて目ぼしい家や人を物色しているのか!!!


ディナはここで8月27日に同紙が取り上げた
「被害者が告訴を断念したにも関わらず、警察官が強姦容疑で裁判へ」
という記事
に触れます。


2011年10月の日曜の夜、ソナ・ビバをパトロールしていた警官3人は
路上で若い男女が争っているところに出くわします。
2人とも泥酔状態でまともに話ができなかったようですが
警官の1人が「彼女は自分の友人だし、このまま放置しておくと危ないから」と
親切にパトカーに乗せてホテルまで送っていくことに。
そしてそこで泥酔状態の女性をレイプしたわけです。


その後女性は警官らを告発し、3人は逮捕されるのですが、
警官らは「レイプなんかしていない」と否定、
女性の方も告訴を取り下げるのですが、
レイプは親告罪ではなく刑事犯になるため現在も3人は係争中。



彼女は制服警官が彼女自身や家族に対して何らかの報復をするのではないかと
死ぬほど恐れているだろうとは誰にだって考えつくことだ。



普通に考えて、レイプは相手が警官ではなくても訴え出るのは難しい。
それが警察官ともなれば、この先何が起こるかわかったものではないわけで。
だとすると、こういう被害にあっている人が一体どれくらいいるんだろう・・・
とかなり暗い気持ちになったりもするのですが。


この3人は犯罪予防課に勤務しているというのだから笑っちゃうというか絶望的というか。


まあこれ以外にも13番署の警官が
電話会社の技術者を装って家に押し入るという強盗事件もあったし、
先の新聞記事の囲みの中には14歳の少女を11ヶ月にわたって監禁し
レイプしたり暴力を振るっていたという警官の話も出ているし・・・、
そこまで酷くなくても、警官に職務質問で呼び止められて金をせびられ、
断ったら麻薬を車に仕掛けられて逮捕されたりとか(いや十分酷かった)。


そんなわけでグアテマラでは警官を見たら泥棒と思え、ではなくて
警官はやっぱり泥棒だったというのが現在のところ。
新しく入ってくる若手警官には志も高い人も多いと思うのですが
朱に交わると赤くなってしまいますからねぇ。


なんだかな。


[ 2012/09/04 23:26 ] ニュース | TB(0) | CM(1)