独立記念日 

9月15日は独立記念日。
1821年のスペインからの独立を祝うわけですが、今年で191周年。
200周年まで秒読み開始となったわけですが、
まあまだ9年もあるから別にどうってわけでもないか。


さて独立記念日前夜の9月14日には
トーチを掲げて走り回る集団が全国津々浦々に登場するわけですが
これには独立当時の出来事がかかわっている・・・というお話など。


登場するのはマリア・ドローレス・ベドヤと
ペドロ・モリーナ・マサリエゴスの夫妻。
ドローレスは1783年9月エスクイントラ生まれ、
ペドロは1777年4月グアテマラシティ生まれ、
いずれもクリオーヨ(ヨーロッパ系移民)の裕福な家庭で育っています。


ペドロは医師であり、新聞記者であり、政治家であったという多才な人ですが
夫妻は共にスペインからの独立を志向しており、
一家が有する農場は独立派のたまり場ともなっていたといいます。


ドローレスにはカエタノ、マリアーノという兄弟がいましたが、
二人は1813年、独立運動に加担したものの失敗、捕らえられています。
そんなこともあって、独立運動は慎重に進められていたのでした。


1821年9月15日、スペイン総督府と独立派の間で話し合いがもたれることになっていました。
その前夜、ドローレスはバシリオ・ポーラスと市内を駆け回って有志らに
翌日は話し合いが行われる国家宮殿前に集まるよう呼びかけたのであります。


この時、松明を持っていたと伝えられているわけではないのですが
とにかくこの伝説なのか史実なのかが元になって
9月14日の夜にはトーチを掲げ、
嬉々としてあちらこちらを駆け巡るという伝統が誕生した・・・らしいです。


いやまあそういう由来なら走らなきゃね!!!
てなわけでいくつもの集団が独立の英雄の記念碑のあるオベリスコ広場にやってきて
そこからトーチ掲げて走り去っていくわけなのですが、
その数、今年は300とか。


皆で協力して一つのトーチにすれば市内の渋滞も緩和されるのに・・・
と思うんだけれど、そんな面倒くさいことをせずに
やりたい人がやりたい時にやりたいようにやるのがグアテマラ流。


お陰で14日の渋滞は年々ひどくなっていく気がするんですけどね・・・。


さて、ドローレスとペドロ夫妻の話にはまだ続きがあったりします。
15日に国家宮殿で話し合いが行われていた時に
外に集まった群衆の中からわーーーっという歓声と共に
音楽が鳴らされ花火が打ちあがり、
「独立」が既成事実化されてしまったと言われていますが、
それを仕組んだのがドローレスだったとか。


話し合いに参加していたスペイン総督府側は、
これを聞いて暴動が起こったと信じ込み、さっさと独立を認めたというから
何とも拍子抜けな独立の顛末ではあるんですが、流血騒ぎよりはいいのかも。


グアテマラ総督府がスペインから独立し、
一時メキシコ帝国に併合されたりしながらも中米連邦が誕生した後は、
ペドロは中米連邦の憲法の起案に加わったり
中米連邦のグアテマラ代表(1829~1830)となったり、
独立派の中心として独立した当初のグアテマラや中米を支えていったのでありました。


めでたしめでたし。


ま、こうして二人は独立の立役者として名を残したわけですが、
独立の英雄碑というのはその舞台となった国家宮殿付近ではなく
現在オベリスコ広場と呼ばれているところに立っています。


オベリスコ広場は1935年、ホルヘ・ウビコが大統領だった時に建設されていますが、
そこに「祖国の祭壇」が設けられ、独立記念碑が掲げられたのは1950年のことでした。
なんでも「自由の灯火」ってのが永遠に灯されているらしいですが、見たことない・・・。


碑文にはこう書かれているそうです。

「グアテマラ人よ:
 この火は我々の自由と正義への飽くなき希求の象徴である。
 大切に灯し続けよ。
 火が消えることのないように」


そんなわけで、このオベリスコ広場から出発するトーチマラソン、
ひょっとして今も自由と正義を求め続けて走り回ってるってことなのかもしれないな・・・。


実現する日はまだまだ通そうだけれどもね。


<参考>
María Dolores Bedoya (Bio)
María Dolores Bedoya (Wikipedia)
Pedro Molina Mazariegos (Wikipedia)
Monumento a los Próceres de la Independencia



[ 2012/09/14 22:29 ] 風物詩 | TB(0) | CM(0)

プロセシォン 

久しぶりにセマナ・サンタのプロセシォンを見に行ってきました。


聖金曜日には朝と午後から夜にかけての2つのプロセシォンがありますが、
行ってきたのは朝出発のラ・メルセー教会のもの。
早目に出たおかげでカテドラル前に設置されたスタンドで見られました。


08 Catedral

カテドラルはすっかりセマナ・サンタの装い。
テレビカメラも何台かスタンバっていました。


09 Arzobispo Vian

行列が近づいてくるとビアン大司教も登場。
カテドラル前では行列は一旦止まり、大司教の祝福を受けます。
そんなわけでカテドラル前はあらゆるプロセシォンが通過するのですが、
プロセシォンがいくつも出るような日はぶつからないように
ちゃんとルートも時間も調整されているんですよね。


10 Procesión de La Merced

プロセシォンに参加する人たちはククルーチョと呼ばれる衣装を着用。
教会によってスタイルや色が異なっていますが、メルセーは紫に黒のケープ付。


ちょうどこの時期、ジャカランダなどの紫色の花が咲いていて
セマナ・サンタらしさを醸し出している・・・と言われるんだけれど、
でも紫のトーンが全然違うんだよね。


あ、プロセシォンの最初にやって来たのは聖ペテロでした。
これは車のついた小さな山車。


16 Procesión de La Merced

キリスト像がやって来る前には
ちゃんと旗印があって、もうもうと香が焚かれます。
香炉を持っているのは小さい子だったりすることもあり。


また、聖像によって担ぐ人たちが決まっているのですが、
このプロセシォンでは聖母を担ぐのは女性、聖ヨハネは子供でした。
聖ヨハネはかなり前のめりで、しょっちゅう付き添いの大人が持ち上げていましたが
かなり小さい子達が担いでいたみたい。


この神輿を担ぐのは贖罪のためなわけですが
そんな小さい子供たちが何の罪を償うんでしょうね・・・
って、そんなこと考えてないのだと思われますが(笑)。


15 Jesús Nazareno

普段は教会の中に大切に安置されているナザレのイエス像ですが
聖金曜日にはこうやって担ぎ出されてきます。
この聖像は1655年に作られたもの。
グアテマラにはこの時代の聖像がたくさんあって
なかなか見事な物も多いです。


この神輿は多分80人くらいで担いでいたかな。
神輿の後にはブラスバンドが続き、
その後にはヨハネ、マリア・マグダレーナ、
そして聖母の像とマリア様用のブラスバンドがやってきて
そこでプロセシォンの行列はおしまい。


行列の後にはグアテマラシティのお掃除隊が続きまして、
アルフォンブラなんかがあった場合にはさささっと片付けをしてくれる手はずとなっています。
カテドラル周辺はアルフォンブラなかったですけれど
他のところでは作られているはず。
アンティグアのように街中を埋め尽くすというところまではいかないですけれどね。


久しぶりのプロセシォン、
やっぱり宗教行事というよりはイベント的な雰囲気がしますが
グアテマラのセマナ・サンタには欠かせないものですからね。
来年も見るかと言われるとどうかなーって気はするんですが(笑)




[ 2012/04/06 21:51 ] 風物詩 | TB(0) | CM(0)

彫刻フェスティバル その2 

承前

DSCN2523.jpg DSCN2524.jpg DSCN2525.jpg DSCN2526.jpg

こちらは「無題」と題された作品。
案内にある当初の予想図と完成図がまったく異なっているのがこの作品。
どうやらこれも完成しているみたいです。


いや、まだまだ削ってもいいよね、って気もするけれど。


しかしこの大胆な削り方。
さすがの大理石も、文字通り形無しって感じ。
それでもこの荒削りの彫刻、見るほどに面白いですけれど。


下の石に上の石をクレーンで積み重ねたらしい作品です。
こんなのなら私もできるかも、ってちとそんな気になってみたり。


2枚目の写真、奥の方に見える赤いのは救急車です。
一台ここに常駐させてたみたいですが
その間、呼び出しとかは大丈夫だったのかしらん。


DSCN2536.jpg DSCN2537.jpg DSCN2538.jpg

こちらはグアテマラ代表。
じゃなかった、グアテマラから唯一参加している
エドゥアルド・サクの作品。(語呂合わせじゃありませんから)
タイトルのKowinem(コウィネム)はキチェー語で力と調和を意味するのだとか。


力と調和というのは今ひとつピンとこない私でしたが
大理石の様々な表情をうまく捉えていて素敵です。
3枚目の写真、大理石をぐぁああああああ~ん、と削っていたところで
またしても削り大理石粉が舞い上がっておりますが
いろんな模様が組み合わさっているのがおわかりになるかと。


この作品もまた当初の模型とは
ちと異なったものになっているようですけれど
実際の石を見て、石を生かした作品を造ることができるなんて
格好いいですよねぇ~。
私も彫刻家になればよかった。


四十の手習いで彫刻家になれるか!?
というわけで、早速石を入手して試してみることにしました。
これをとりあえずは光が通るくらい薄く透明な板にしたいなぁ~。

DSCN2529.jpg

いや、さっきのは嘘です。
できたら素敵だ~、とは思うけれど
そんな技術があるわけでもないので。


彫刻家たちが切り落とした大理石片が、
一輪車に山積みにされていたのですが
その中から記念に持ち帰ってきた破片です。
会場にいた人たち、結構持って帰っていましたね、この大理石片。


大理石のこの断面、温かみのある白がとても素敵です。


さてこんな重たい石だから、パーツとパーツを組み合わせたり
向きを変えたりする時に必要なのがクレーン車。
ここには石材屋のグアテマルモルのクレーン車が常駐していて
必要に応じて出動するようになっていました。

DSCN2540.jpg

写真は向きを調整しているところ。
作品の下に板を敷き、更にコロを噛ませて動かないように調整。
この作品は一見裸体のようにも見える美しい曲線をしていまして
置く時にちょっと苦労していましたね・・・。


DSCN2541.jpg

クレーン車が作業する時、順路が一部閉鎖されるわけですが
ロープが届かないところはこうして人間ロープが出現します。
警備員も朝から晩まで埃の中を立ちっぱなしでご苦労様。
帰宅時には、黒いユニも白くなっているんだろうな・・・と想像。


DSCN2516.jpg

この雑然とした会場にさりげなく立っているハカランダの木。
連日の騒音にも耐えて、きれいな花を咲かせていました。
これだけ暑くなってくると、花もそろそろ終わる頃かもしれません。


さてこうして18日間に終わる彫刻フェスティバルは無事終了したわけですが
コンクールではないので、作品に順位はつきません。
でも人気投票を会場でしていまして、
その結果は発表されるはず。


・・・・・・多分現在開票中だと思われます。


参加する彫刻家には航空チケット、宿泊代、食費の他、$3,000のギャラが出ます。
18日間という短い期間で作品を作り上げるのは大変だと思うのですが
会場を訪れた観客の数はかなり多かったらしく
普段は人前で作品を造ることのないアーティストたちにとっても
いい刺激だったようです(皆が皆そう思ったかどうかはともかく)。


私たちが見てた時も、最後の仕上げに余念のない(はずの)アーティストたちに
サインやら写真やらねだっている人たちが・・・・・・。


ま、その方がいかにも「フェスティバル」って感じで楽しいかも。
このフェスティバルの作品は、多分また空港から市内に向かう通り沿いに展示されると思われます。


DSCN2490.jpg

こんな感じ。
これは第1回のフェスティバルで一番人気があった作品だとか。
タイトルはEl Beso(エル・ベソ/接吻)。
2つの顔にも見えれば1つの顔にも見えるという発想がお茶目。


置いてある場所のバックがもっときれいだったら良かったんだけれど。


何はともあれ、興味深くて楽しかったです、このイベント。
是非息長く続けて欲しいなぁ。



[ 2010/03/15 22:33 ] 風物詩 | TB(0) | CM(0)

彫刻フェスティバル その1 

この前も書いた第2回彫刻フェスティバル、
今日が最終日でもう閉幕式とかあったはずですが、
とりあえず私たちは最終日前日の土曜日に見に行って来ました。


なかなかおもしろかったので、写真をたくさんアップしてみます。
エントリー1つだけだとアップしきれないかもなー。
(今日はサムネール小さくしておきますが、クリックで拡大します)


DSCN2512.jpg DSCN2513.jpg DSCN2514.jpg

これは既に完成しているらしい作品。
Floradaって花が咲いている間のことを言うらしいですが
その名の通り、花でわかりやすい。


名前が入っている案内板にある図は
作品の原案(完成予想図)であって、必ずしも完成作と一緒とは限りません。


3枚目の写真、上の花の花びらに一部黄色い部分が見られるのですが
これはこの大理石が削っていくとこんな風な部分が出てきた、ってことらしい。
ちょっと汚い感じになってしまうのだけれど
これが天然ってことなわけなのね・・・。


DSCN2503.jpg DSCN2504.jpg

こちらはジョージアのIvane TsiskadzeさんのEva(エバ)という作品。
エバって、多分アダムとイブのイブの方のことでしょう。
こちらもほぼ完成のような気がしますけれどね・・・。


2枚目の写真、小さいエバ像があるのが見えますよね。
これが模型で、これを元に作ってるみたい。
作者さんの他に、地元の志願者がアシスタントについておりまして
作者の指示に従ってがあああああああああーーっと石を削ったり
カンカン鑿を入れたり、磨きをかけたりしていました。


3枚目の写真、この作品用のものなのかどうかわかりませんが
四角い大理石を丸く削っているところ。
このおじさんの髪の毛は、この色なのか
それとも大理石の粉でこんな色になったのか・・・
ものすごい粉塵が飛んでいました、この付近。


3枚目の写真、地面にぽーんと放り出してある
丸いカッター、これをぐいーーーーんと回して
石を切ったり削ったりしています。
石に線を引いて、そこにこのカッターを当てて
ぎゅいーーーーんとカットしていくので
ものすごい騒音と粉塵。


会場ではマスクも売ってましたが・・・、
これって、新型インフルエンザでもあまりマスクが売れなくって
売れ残ったのを売っているのかも?


DSCN2515.jpg DSCN2518.jpg DSCN2519.jpg

タイトルのCoátlというのはナワトル語で蛇という意味。
ケツァルコアトル(羽毛の蛇)のコアトルですよね。
もっとも私には蛇よりも手に見えたんですが


2枚目の写真は、指の部分・・・じゃなくて、
蛇の頭の方になるのかな?
ともかく、上部の方をがあがあ削っているところ。


こんな風に、パーツごとに作って
後ではめ込んで完成させる作品も結構多かったです。


3枚目は親指の部分・・・じゃなくて、曲線部分。
ここだけ鑿を入れて、模様を造ります。
これがなかなかに大変そうなのだけれど
この作業で大理石の別の色合いと風合いが出てきていて
興味深かったです。


DSCN2520.jpg DSCN2521.jpg DSCN2522.jpg

こちらは唯一の蛇紋石作品。
ドイツのエッケハルト・アルテンブルゲルさんのSoporosyne。
タイトルはギリシア語らしいのだけれど、日本語で言うとソフロシネ(らしい)。
ギリシア神話に登場する人物というか精というかニュムペというか、
まあそういうものらしいのですが、意味するところは純とか清廉とか。
(ここまで調べるのにエラク苦労したのですが)


そう言われればそういう気もしないでもない・・・・・・かも。
どっちにしても、タイトル難しすぎです。


pureとかintegrityとかいう言葉からすれば
白の大理石の方が合ってるような気がするのだけれど
わざわざそうじゃない石を使ってそういう色を出そうとしているのかしらん。


水を流しながら、菱形のカットを丁寧に仕上げているところでした。
不思議なニュアンスのある作品ではあります。


続く


[ 2010/03/14 23:56 ] 風物詩 | TB(0) | CM(0)

四旬節 

最近ちと調べ物をしていまして、
こちらを書いている余裕がないのですが、ちょっとだけ。


四旬節に入りまして、グアテマラではあっちでもこっちでも
プロセッションが行われる時期となりました。


有名なのはアンティグアのものですが、
ここグアテマラシティーも実はちゃんとやってます。
第1区にたくさんあるカトリックの教会が組織しているもので、
そう言えば、私、去年もこの話書きましたよね、
ってこれを書きながら思い出したのでゴソゴソ探してみました。
プロセッション(御輿行列)


今年のプロセッションの様子は以下のサイトで見られるかしらん。

Cuaresma y Semana Santa en Guatemala
多分一番最新の写真とかがある。写真はこちらから。

Semana Santa en línea
メジャーじゃないプロセッションの情報とかも有。
ニューヨークでもプロセッションしてるって、それちょっとすごいかも。


他にもいくつかサイトはあるのですが、
いくつもある割には今日はどこそこのプロセッションが
どこそこを通る、みたいな話はあまり出ていなかったり。
今日も第1区だけでプロセッションだろ、とか思っていたら、
近くの教会でプロセッションがあったりしてドツボにはまることもたまにあります。


こうして、セマナサンタに向けて盛り上がりを見せるグアテマラですが
それは宗教的な厳かさというよりは
宗教行事というよりは伝統文化になっていて、
日本のお祭りに近いように思います。


セマナサンタのアルフォンブラ作りを毎年しているという友人は
今からデザインやら準備やらに余念がないようで
ホント、楽しそうなんですよねぇ~。


四旬節と言えば我慢の時期、と日本の教会では教えていて、
いやもちろん、こっちでだってそうなんですけれど、
はるかに楽しい四旬節になっちゃうのはどうしてなんでしょう。


やっぱり不思議です。


[ 2010/02/21 23:55 ] 風物詩 | TB(0) | CM(0)