ファビオラ・ロダス 

2年くらい前、ラテンアメリカン・アイドルというリアリティー番組で
カルロス・ペーニャというグアテマラ人が優勝したという話
を書いたことがあります。


そのカルロス君は2枚目のCDも出していて、
うーーん、ヒットには至らないかもしれないけれど、
地道に歌手というかシンガーソングライターとしての道を進んでおります。


今日はそのカルロスの話ではなくて、ファビオラ。
今度はラテンアメリカン・アイドルではなくてメキシコのテレビ・アステカ制作の
ラ・アカデミアという番組で昨年2位を獲得。
やっぱりタレント発掘系のリアリティー番組で、
歌はもちろん、踊りや性格さえ審査対象となる?結構スゴイ番組です。


そのラ・アカデミアは昨年で6回目になるんだそうですが、
出演者らが集められてエル・グラン・デサフィオ(偉大なる挑戦)という番組が
数年に1回行われています。
これもやっぱり内容的には同じリアリティーショウですが、
出演者が既にある程度のレベルに達している人ばかりなので
ラ・アカデミアよりは内容が濃くなっている、かも。
いや、実は見てません。
見てないので何とも言えない、てか見てないなら書くな、って言われそうですが。


そのエル・グラン・デサフィオの3回目が今年行われまして、
先週末、ファビオラが見事1位をゲット。
それだけなら、まあいいんですが、この優勝した時の歌が素晴らしかったので
貼り付けちゃいます。


歌っているのはPor tí volaré(ポル・ティ・ボラレー)、
原題はCon te partiro(コン・テ・パルティーロ)、
アンドレア・ボチェッリの歌として有名ですよね。
スペイン語とイタリア語のミックスで歌っています。
何はともあれ、まずはお聞きくださいな。



会場はメキシコはグアナフアトのフアレス劇場ですか?
とても奇麗な場所ですよね。


ファビオラ、実はまだ16歳の学生なんですが
10歳の頃からグアテマラを訪れる歌手の前座なんかもやっていたとか。
舞台度胸もあるわけですが、天与の声を持っている人ですよねぇ。
こういうバラード系の、たっぷりと聴かせる歌は素晴らしい。
この歌、難しい歌だと思うのですが、
♪Por ti volaréと歌い上げるところなど、本当に見事です。


優勝賞金は300万ペソなんだとかで、
メキシコに家(アパート?)も買わなきゃいけないし、
両親が行きたいって言ってる日本旅行(!)にも行かせてあげたいし、
とか言う話ですが、まあお金の使い道はゆっくり考えてちょ・・・。
日本にはその内「仕事」で行けるようになるかもよ?


そんなわけで、またしてもグアテマラ期待の★のお話でした。



[ 2009/07/28 23:52 ] | TB(0) | CM(2)

WBCとマルロン・クラベリーア 

今、WBCの決勝、日本対韓国を見ています。
・・・と書いていたら、中継がぷっつんと飛んでしまった。
衛星とか放送局の問題じゃなくて、
我が家が契約しているCATVの方のトラブルらしい。
ローカルはかろうじて映っているけれど、野球がな~い!!!


1-0で勝ってたのに、見えない間に同点になっちまったようですね・・・。
お前が悪いんじゃあ~、ケーブルテレビっ!!
ま、まだ先はあるから頑張って頂くことにして。


ご存知の通り、ラテンアメリカはサッカーの方が盛んな国が多いわけで、
野球の方が盛んな国と言えば:
キューバ、ベネズエラ、ニカラグア、パナマ。
他にありましたっけ???
メキシコは野球も盛んですが、やっぱりサッカーの方が人気ありますよね。


グアテマラでも野球をしている人たちはもちろんいます。
実は、同僚は野球好き(サッカーも好き)で
彼の息子は野球の少年チームにはいっているという
グアテマラでは珍しい存在。
毎週週末は息子さんの野球の試合につきあっているようで、
その辺りは我が家のサッカー小僧と大差なかったりいたします。


もっとも、グアテマラには野球場というのがあまりなくって
市内に2ヶ所、それとも3ヶ所?あるっきり。
地方に至っては野球用のグラウンドがあるとは思えないものがあり
野球をやる環境としてはなかなか厳しい。


それなのに、今年グアテマラから大リーグに挑戦する選手が1人。
彼の名前はマルロン・クラベリーア。18才。
身長190cm、時速145kmの速球を武器にする右投げのピッチャーです。


昨秋までに大リーグのいくつかのチームから打診があったんだそうですが
最終的にサンディエゴ・パドレス(何故にパードレスじゃないの?)と契約、
現在はドミニカ共和国にあるパドレスのアカデミーで修行中だとか。


野球をやるための環境がまったくないグアテマラから
昨年できたばかりだというパドレスの最新アカデミーへ移って
「ここにはグラウンドも、コーチも、用具も、皆そろってるよ!」
と大感激していたマルロン君。


あ、やっとケーブルが繋がったみたいです。
ほら、日本の3点目。
(ってたったこれだけ書くのに何時間かけてんだってのがバレバレですね)


ま、そんな可愛い?マルロン君率いるグアテマラが
いつかWBCにも参加できるようになるといいなぁ~、
という夢を見ながら日本を応援することにします。


いや、個人的には、グアテマラは一体いつになったら
サッカーのW杯に出られるんだ?て方が
よっぽど興味津々だったりするわけですが。


とりあえず、ドミニカ共和国までマルロン君を取材にいった
某新聞社の記事をリンクしておきます。
ビデオもありますので、是非。
Marlon Clavería y su sueño de jugar en Grandes Ligas



[ 2009/03/23 22:27 ] | TB(0) | CM(2)

証言 

どうしようかと迷ったのですが、TBすることにしました。
TB先はこちら
日本の某大手新聞社のオンラインサイトにある風変わりなコラムです。
まずはそちらの方から読んで頂きたく。


コラムに出てくるアルゼンチン映画、
La noche de los lápices(ラ・ノーチェ・デ・ロス・ラピセス)という
1976年にアルゼンチンで実際に起こった弾圧事件を描いたものです。
この映画について書くのが今回の目的ではないので内容についてはスルーしますが、
Googleビデオにアップされていますので、見てみたいという方はこちらで。
ただし、スペイン語音声のみ。90分弱の映画です。




さて。


その映画を見たり、事件について調べたりしていた時に
引っかかってきたのが
ミゲル・エチェコラツ(Miguel Etchecolatz)という人物。
(私にはエチェコラスと聞こえるのですが、
 エチェコラツという表記が定着しているようなので、こちらで)


1976年から83年、アルゼンチンでは政府による国民への弾圧が繰り返し行われていました。
私はアルゼンチンについては詳しくないので間違いもあるかもしれませんが、
汚い戦争と呼ばれるこの弾圧行為、
やはりこれも冷戦の影響を受けたもののようで、
政府が弾圧したのは左派、あるいは左派と見なされた人物でしたが
政府はこれを「国家再編成プロセス」と呼んで正当化します。
(ちなみにこのアルゼンチン・メソッド、後に中米に輸出されたそうです。
 まったく、いらんことを・・・)


この弾圧による行方不明者は13000~30000人とされていますが、
当時の弾圧行為、軍政下の犯罪であり、長らく恩赦の対象となっていましたが、
2005年にアルゼンチンの最高裁が恩赦法を違憲と判断したことにより
近年、当時の軍幹部らへのやり直し裁判が続いています。


エチェコラツは映画の事件当時、
ブエノスアイレスの警察の要職にあった人物で
アカ狩りの指揮を取っていました。


エチェコラツは2006年、殺人、拷問、誘拐等の罪で終身刑の判決を受けますが
彼の有罪の決め手となったのは、当時やはり拉致され、拷問を受けたものの
生き延びることができた人たちの証言によります。


その証人の一人がホルヘ・フリオ・ロペス(Jorge Julio López)。
1976年10月に拉致・監禁され、拷問を受けたものの生き延び、
2006年のエチェコラツの裁判には原告として参加し、法廷で証言しています。


その法廷でのロペスの証言。
これが今日の本題です(あー、やっと辿り着いた)。
このブログに関係のないアルゼンチンの話をするのも、
このロペスの証言の映像を見ていただきたかったから。
先日のロメロ大司教の説教と同じように、
記録に残す価値のある、貴重な映像だと思います。


聞き取れる範囲で聞き取ったスペイン語と
(アルゼンチンのスペイン語は、本当に聞き取りにくい・・・)
その簡単な訳を【続きを読む】のところにアップしておきますのでご参考まで。
(間違ってる箇所もあると思うので、ご指摘頂ければ有難き幸せ)。
でも、言葉の意味よりも何よりも、見ていただきたいのが映像です。




2006年と言えば弾圧事件から30年。
アルゼンチンでさえ30年が必要だったという事実は重いです。


グアテマラでもリゴベルタさんがリオス・モントを告発しようとしましたが
結局諦めて、スペインまで行って告訴していますからね・・・、
そのスペインでの裁判の方も、最近はとんと音沙汰を聞きません。


スペイン大使館焼き討ち事件のような、
明らかな国際法違反の事件についても
国内では一切裁きが行われていないくらいですから、仕方ないのかな。


話は戻ります。
ロペスさんらの証言もあってエチェコラツは終身刑となりますが、
証言をしたわずか3ヶ月後の2006年9月18日、
ラ・プラタ市役所に向ったはずの彼が突如失踪、
その行方は現在に至るまで不明のままです。


まだまだ汚い戦争時代の裁判が続くわけですから、
見せしめとして処刑されたと思われるのですが
表向きは民主主義の世の中で、
それもアルゼンチンのような国でこんな事件が起こるとは。
言葉もありません。


アルゼンチンでもそうなら
グアテマラのこれは仕方ないのか。
リオス・モントが生きている間に
有罪判決が下されることはあるんでしょうか。


せいぜい長生きしてちょうだい、リオス・モント。





[ 2009/03/01 00:44 ] | TB(0) | CM(2)

テクン・ウマンの日 

ラテンアメリカの偉人の次は、グアテマラの偉人の出番です。
奇しくも今日はテクン・ウマンの日だし。
てなわけで、グアテマラの国家的英雄であり国防の象徴と公式に称えられる
テクン・ウマンさんの登場です。


とは言え、テクン・ウマンさんて16世紀頃の人物。
生年月日も不詳ならば、正確な氏名もミステリー。
残っている資料としてはちょうどラテンアメリカを征服に来ていた
スペイン人たちのものがメインになってしまうため
人物像が見えてこないのでありますが、ともかく、
スペイン人の侵略から人々を守ろうとしたキチェー族の王子、
というのが通説となっています。



グアテマラを征服したペドロ・デ・アルバラードは
「ウタトラン(キチェー族の首都)王国の主だった人物を殺害した」
としたためたレターを上司のエルナン・コルテスに送っていたりとか
それらしい人物がいたことは確認されています。


しかしこの人物がスポットライトを浴びるようになったのは
16世紀も後半、「侵略者の踊り」というのが作られてからだとか。
侵略者代表はペドロ・デ・アルバラード。
それに対抗する人物としてテクン・ウマンがここに登場するわけです。


現在の歴史学者は、テクン・ウマンはキチェー族の皇太子であった
アハウ・ガルエル(Ajau Galel)だと睨んでいるようです。


実際のところ、テクン・ウマンはスペイン人らに対抗したものの
火器や馬を擁するスペイン人らの前に他愛もなく敗戦を喫し、
死んでしまったらしい。


同じような出来事はグアテマラの各地で繰り返されたはずですが、
テクン・ウマンだけが国民のヒーローとなったのはどうして?
ってちょっと不思議な気がしますよねぇ。
実はこれ、国家的戦略だったみたいです。


第二次世界大戦が終わって冷戦が激しくなっていき、
グアテマラ国内の政情の不安定さが加速していった1958年、
ミゲル・イディゴラス・フエンテスが大統領に就任します。
内戦が勃発したのが1960年、
舵取りの難しい時代に大統領になったわけですが、
そこでイディゴラス、国家のヒーローとなりうるような人物はいないかと物色。
そこで白羽の矢が当たったのがテクン・ウマンだったんだそうです。
それにキチェー族と言えば、国内で最大規模の部族でもあったわけだし。


そして1960年、正式に国民の英雄かつ国家の防衛の象徴に祭り上げられたという次第。
ヒーローとするからには名前も必要だってわけで、
恐らくいろいろ調べたんでしょうが、結局テクン・ウマンてな名前になったそうです。


・・・・・・こんないい加減な決め方で良いんだろうか・・・。


ま、それはともかく。
圧倒的に不利が最初からわかっている戦いであっても
矜持を捨てずに立ち向ったテクン・ウマンは
確かに国民のヒーローに相応しい人だとは思うわけです。


良くわからないのは、その大切な英雄が
今ではもう流通していない Q0.50札なんて
小銭の弊紙に印刷されていたことでしょうかね・・・、
ちなみに最高額のQ100札には
グアテマラ最初の司教であるフランシスコ・マロキンの姿。
グアテマラ人ですらない人だったりするのは、なぜ???



[ 2009/02/20 22:58 ] | TB(0) | CM(0)

ロメロ大司教のこと その2 

ラテンアメリカのお馬鹿な大統領コロンなんかのことを書いてしまった後は、
ラテンアメリカの偉人のことでも書かないとバランスが取れないと思うわけです。


ラテンアメリカの偉人、というとチェ・ゲバラを連想される方が多いかもですが、
Monjablanca的イチオシは前にも取り上げたことのある
オスカル・アルヌルフォ・ロメロ大司教。


以前は「もうすぐ福者ロメロが誕生しそう」と書きましたが
教皇が変わった後は、列福・列聖のペースが落ちてしまい
ロメロ大司教も未だ公式な崇敬の対象になっていません。
それでも既に「アメリカの聖ロメロ」てなニックネームがついてますけどね・・・。


今回ロメロ大司教を取り上げたのは、
YouTubeでロメロ大司教の説教が聴けるのを見つけたから。
暗殺される誘因となったとされる1980年3月23日の説教、
実は無茶苦茶長い長い、全部読めば1時間かかるかも?なお説教なのですが、
その内の最後の部分、3分ほどがアップされております。




Yo quisiera hacer un llamamiento de manera especial a los hombres del ejército,
y en concreto a las bases de la guardia nacional, de la policía, de los cuarteles.
Hermanos, son de nuestro mismo pueblo,
matan a sus mismos hermanos campesinos
y ante una orden de matar que dé un hombre,
debe de prevalecer la Ley de Dios que dice: NO MATAR...
Ningún soldado está obligado a obedecer una orden contra la Ley de Dios...
Una ley inmoral, nadie tiene que cumplirla...
Ya es tiempo de que recuperen su conciencia
y que obedezcan antes a su conciencia que a la orden de pecado...
La Iglesia, defensora de los derechos de Dios, de la Ley de Dios,
de la dignidad humana, de la persona,
no puede quedarse callada ante tanta abominación.
Queremos que el Gobierno tome en serio que de nada sirven las reformas
si van teñidas con tanta sangre...
En nombre de Dios, pues, y en nombre de este sufrido pueblo
cuyos lamentos suben hasta el cielo cada día más tumultuosos,
les suplico, les ruego, les ordeno en nombre de Dios: ¡Cese la represión...!


私は特別なかたちで兵士達に、
心の底から国家警備隊や警官達に呼びかけを行いたい。
兄弟たちよ、彼らは同じ国の国民なのです、
あなた方は同じ国の兄弟である農民達を殺しているのです。
ある人物から誰かを殺せとの命令を受けたなら
「殺すな」という神の律法を思い起こさねばなりません。
神の律法に反する命令に従う義務など、どの兵士にもないのです。
道徳に反する法律を実行してはならないのです。
良心を取り戻し、罪を行えという命令に反して良心に従う時が来たのです。
神と神の律法、人間の尊厳、そして人々の保護者である教会は
このような悪行を前にして沈黙しているわけにはいきません。
このように血を流し続けるならば、改革など何の役にも立たないことを
政府には真剣に受け止めて欲しいのです。
神の名において、
そして日々救いを求めて天に嘆きの声をあげるこの苦しむ国民の名において
あなた方に乞い、あなた方にお願いし、あなた方に命令する。
弾圧を止めなさい、と。


あ、涙が・・・。


私には原文に込められた思いも祈りも
うまく訳出できなくて申し訳ないのですがご勘弁を。


私なりの感想もあるのですが
そんなものよりもロメロ大司教の肉声の余韻に浸って頂きたく。


[ 2009/02/19 22:53 ] | TB(0) | CM(4)